2007 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者メタボリック症候群における動脈硬化症変・ADL・精神機能に対する運動の効果
Project/Area Number |
17500473
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
櫻井 孝 Kobe University, 医学部附属病院, 講師 (50335444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 俊宏 神戸大学, 医学部附属病院, 臨床研究員 (60403234)
横野 浩一 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50144580)
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Keywords | 高齢者 / メタボリックシンドローム / 心血管病変 / ADL |
Research Abstract |
高齢者では除脂肪体重は減少し、脂肪重量は増加する。また加齢とともに食欲が低下し、活動性も低下する。このため高齢者におけるメタボリックシンドローム(MetS)の意義については不明な点が多い。そこで高齢者メタボリックシンドロームにおける腹部肥満、インスリン抵抗性、また血管病変および生活機能障害との関連を検討した。65歳以上の高齢者807名を対象とした断面調査を行い、メタボリックシンドロームの診断には、日本内科学会、IDF(2007),AHA/NHLBIの基準を用いた。いずれの診断基準でもMetSの頻度は高かった。HOMA-IRで評価されるインスリン抵抗性は年齢とともに増加し、腹囲との間に相関を認めた。またインスリン抵抗性は、IDF(2007)とAHA/NHLBIを同時に満たすMetSで高値であったが、AHA/NHLBIのみを満たすMetS(非肥満型MetS)でも上昇していた。AHA/NHLBIのMetSでは、年齢、性別、血圧、糖代謝異常を補正しても心血管病変の合併が多かった。 女性では、いずれのMetSでも、基本的ADL(Barthel index)は低下していたが、より高次のADL(老研式活動能力指標)には差がなかった。これらの結果より、わが国の高齢者において、腹部肥満、インスリン抵抗性とMetSには連鎖が見られ、インスリン抵抗性は肥満型MetS、非肥満型MetSでも上昇していた。またAHA/NHLBIのMetSは心血管病変と関連し、さらに女性では基本的ADLの低下とも関連していた。MetSは高齢者においても意義ある危険因子であることが示唆された。
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Research Products
(4 results)