2005 Fiscal Year Annual Research Report
変形性膝関節症に対する運動療法の有効性とその自然経過:SNPによる解析
Project/Area Number |
17500480
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
黒澤 尚 順天堂大学, 医学部, 教授 (50010301)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 直彦 千葉大学, 大学院・医学部研究院, 助教授 (50345013)
金 勝乾 順天堂大学, 医学部, 助手 (70255694)
大沢 亜紀 順天堂大学, 医学部, 助手 (50407251)
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Keywords | 変形性膝関節症 / 運動療法 / 有効性 / 自然経過 / SNP |
Research Abstract |
【目的】 運動療法を3ケ月以上行った人を対象に、膝OAに対する手術(TKAあるいはHTO)をendpointとし、手術に至るまでの時間に差をもたらす遺伝的因子を探索した。 【方法】 関節間隙(JSW)は病状の進行を表す代表的な指標であり、これによって手術に至る時間が異なることが予測されたため3.0mm以上(grade2)、1.1mm以上3.0mm未満(grade3)、および1.0mm以下(grade4)の3群に分けて生存時間解析を行った。Grade2ではFollow-uP期間中(中間値:53ケ月(9-112ケ月))に手術を受けた人が1人もいなかったため、解析から除外した。また、変形性関節症との関連が報告されている遺伝子およびその関連遺伝子から、22SNPs(一遺伝子多型)を測定した。 【結果】 Grade3群では37名が42ケ月(8-96ケ月)追跡され、手術に至るまでの平均生存時間は65.6±4.4ケ月(mean±SE)であったが、Grade4群では46人、25ケ月(3-101ケ月)の追跡期間で38.7±3.7ケ月と有意に短かった。Grade3群において、SNP Xの多型による生存時間の差が有意であり(71.0.±4.2vs. 31.3±5.7ケ月;log-rank p=0.0048)、相対リスク(RR)は6.55(95%CI=1.46-29.4)であった。また、Grade4群においては、別のSNP Yによって同様に有意な差が見出された(46.2±4.4vs. 19.8±3.4ケ月:Log-rank P=0.0076;RR=3.0(95%CI:1.3-6.8))。これらの差は年齢や可動域による影響と独立に作用していた。運動療法に対する効果が違うのか、進行速度が異なるのかについては、さらなる研究が必要である。
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Research Products
(3 results)