2007 Fiscal Year Annual Research Report
ウォーキング、速歩によって中高年者の認知機能は維持・向上できるか?
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17500485
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Research Institution | Tokyo University of Science, Suwa |
Principal Investigator |
篠原 菊紀 Tokyo University of Science, Suwa, 共通教育センター, 教授 (40310528)
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Keywords | 老化 / 脳・神経 / ウォーキング / 速歩 / 認知機能 |
Research Abstract |
平成17年度に始まる本研究の目的は、中高年者ガウォーキング・速歩を行うことによって認知機能を維持・向上することができるのか、を明らかにすることであった。そのために、平成17年度は認知機能テストバッテリを開発して、約1000人からなるデータベースから脳年齢推定を推定するシステムを構築した。このシステムではテストの繰り返し効果を除去するため、一週間間隔で二度の繰り返し測定を実施し、それぞれのデータから脳年齢が推定されるようにした。平成17年度〜18年度は、このシステムを使って、ウォーキング講座参加中高年者、インターバル速歩講座参加中高年者の脳年齢推定を行った。その結果、それぞれの参加者で推定脳年齢の有意な「若返り」が認められたが、なおテストの繰り返し効果の影響が疑問となった。 そこで、平成19年は、インターバル速歩群の測定を継続するとともに、対照群を設定して約三カ月おきの三度の測定を実施した。その結果、速歩群49名、対照群59名の三回の反復測定データが得られ、「推定脳年齢-実年齢」に群間の有意差が認められた。初回から二回目にかけては両群とも有意な「若返り」が認められたが、二回目から三回目にかけては速歩群のみに有意な「若返り」が認められ、三回目では速歩群の方が「推定脳年齢-実年齢」が有意に大きかった。 また、平成18年度〜19年度にかけて、インターバル速歩時の脳活動を多チャンネル近赤外線分光法によって計測し、通常ウォーキング、速歩で前頭前野などが交互に鎮静化、活性化を示すことがみとめられた。興味深いことに、インターバル速歩に慣れていない人では速歩時に活性化が、数年続けている人では通常ウォーキング時に活性化が認められた。
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Research Products
(6 results)