2007 Fiscal Year Annual Research Report
廃羊毛の化学的処理による再資源化-酸化と還元による消臭機能の付与
Project/Area Number |
17500517
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
小原 奈津子 Showa Women's University, 生活機構研究科, 教授 (90178301)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金井 まゆみ 昭和女子大学, 生活科学部, 助教 (30338545)
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Keywords | 羊毛 / 消臭性能 / アンモニア / メルカプタン / 羊毛の酸化 / 羊毛の還元 |
Research Abstract |
羊毛を過ギ酸で酸化すると極めて速やかにアンモニアを吸収する機能が発現することは一昨年,昨年の研究から明らかとなった。また,昨年度末から今年度初めの研究では,酸化羊毛をアンモニア吸収材として繰り返し使用するとその吸収機能は徐々に低下するが,0.005M希硫酸で洗浄するとその機能はほぼ完全に再生することができることが明らかとなった(18年度報告書に継ぎ再掲)。今年度はこのような羊毛繊維の酸化を実用化させることを目的として,反応時間を変化させて酸化した羊毛の平織物(染色試験用標準添付白布)の消臭性能といくつかの消費性能を評価測定した。この結果,0℃の過ギ酸溶液中で5分間酸化した羊毛織物では若干の硬化と引張り強度の低下が認められたが優れたアンモニア吸収性を有し,酸化羊毛がアンモニア消臭性材料として有望な繊維材料となりうることが明らかとなった。他方,3M 2-メルカプトエタノール水溶液で羊毛繊維を還元するための最適反応時間(温度40℃)を2,4,6時間と変えて検討した。この結果,還元時間とSH基量との間に一定の関係なしに還元羊毛中のSH基量は379★446μmol/g・woolの範囲にあることがわかった。これらの還元羊毛のメルカプタン化合物に対する消臭性を,約40ppmのエタンチオールを含んだ2Lのテドラーバックとガス検知管を使って評価した。未処理羊毛にはエタンチオールに対する吸収性能は認められなかったが,還元羊毛ではテドラーバック中のエタンチオール濃度は徐々に減少し6時間後には初期濃度の約15%減少した。さらに標準状態での調湿試料と,自重の100%あるいは200%の水を含水した還元羊毛のエタンチオール吸収性能を測定したところ,含水量によって吸収性能が変化することを見出した。還元羊毛は,自重の100%量の水を含んだ場合に最も高い吸収性能を示した。
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Research Products
(4 results)