2007 Fiscal Year Annual Research Report
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17500518
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Research Institution | Tokyo Kasei Gakuin University |
Principal Investigator |
上村 協子 Tokyo Kasei Gakuin University, 家政学部, 教授 (00343525)
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Keywords | 女性農業者 / 家族経営協定 / ケイパビリティ・アプローチ / ソーシャル・キャピタル / ヒューマンキャピタル / プロシューマー / ライフマネジメント / 消費者教育 |
Research Abstract |
生産者であり消費者であるプロシューマーとしての女性農業者の潜在能力(ケイパビリティ)を引き出すためのアプローチを考察した。 女性農業者の資産形成につながる起業活動は、直売やレストラン経営、食育、グリーンツーリズムなど消費者ニーズに直結する傾向がある。生活経営や農業経営、コミュニティのマネジメント目標は、安全で安心できる食の提供や、家族や地域の信頼関係構築、生活文化の継承などが公益性の強いものが多い。 女性農業者のマネジメントを個人・家族・地域の3段階に分類した。(1)個人のヒューマンキャピタル(人的資本)レベル、(2)家族経営協定などによって作られる家族資源レベル、(3)生活改善や地産地消をもとにした起業活動などコミュニティやネットワークに関わるソーシャルキャピタルレベル。 熊本・宮崎・兵庫・長野・群馬・栃木を中心にインタビュー調査を実施した。各段階のマネジメントの特徴は、地域や農業生産物の種類によって異なるが、生活の産業化により生産者と消費者が分断されことによって発生した生活能力の低下、人間関係の希薄化、生活文化の断絶、地球環境問題などの弊害を是正するアプローチをとる点は共通する。 とりわけ、生活、農業、地域マネジメントに経営体の資金調達視点が、加わることが活動の活性化に寄与している。女性農業者の資産形成を指標として、従来農家の女性が無報酬で担っていた、衣食住、育児や介護に関わる家事労働、農産物を生産するのみならず加工し流通させる職業労働、地域密着NPO、コミュニティの活動などを見直し再編するしくみが必要である。
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Research Products
(3 results)