2006 Fiscal Year Annual Research Report
生活様式・生活意識・生活環境から見た生活原景の変容に関する調査研究
Project/Area Number |
17500523
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Research Institution | Kyoritsu Women's Junior College |
Principal Investigator |
山森 芳郎 共立女子短期大学, 生活科学科, 教授 (10133117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児玉 好信 共立女子短期大学, 生活科学科, 教授 (00108200)
岡田 悟 共立女子短期大学, 生活科学科, 教授 (30233331)
三枝 映子 共立女子短期大学, 生活科学科, 助手 (00413120)
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Keywords | 生活論 / 生活科学 / 住生活 / 生活調査 / 意識調査 / 生活様式 / 生活意識 / 生活環境 |
Research Abstract |
1.四国山間地における生活原景の変容に関する現地聞き取り調査と調査結果の分析 徳島県美馬郡つるぎ町旧一宇村へ現地調査に赴き、つるぎ町一宇支所の協力を得て、ヒヤリングや生活調査を行った。急峻な山間地で、しかも、河川沿いの平地が極めて少ないという状況下でかたち造られた生活原景は、その後大きく変容したが、生活空間や空間意識の点で、旧時の面影をよく留めていることが確認された。1970年代までについては宮沢智士らの研究があるが、それらを参考にしながら1980年代以後の状況を加えて現在、調査結果の解析を進めている。 同時に、四国山地を隔てて一宇と背中合わせの位置にある高知県馬路村についても、一宇の事例と比較するため、史料調査を行った。また、昨年の椎葉(宮崎県)や五木(熊本県)を対象とした研究成果を共立女子大学総合文化研究所紀要に発表した。これらの地域も考え併せると、西日本の山間地の生活原景という視点から総合した研究的意義が見出せることを再認識した。 2.生活意識の構造とその関連要因 昨年に引き続き、首都圏に在住する30歳から59歳までの男女を対象として生活意識に関する調査を実施した。分析にあたっては、すべての項目に回答した者を取り上げることにし、その結果、昨年度が266名、今年度が291名の合計557名が分析の対象となった。各質問項目に対する回答を概観すると、次の4項目で有意な差が認められた。内2つは結婚にまつわるもので、「夫は仕事、妻は家庭」という考え方が減少し、「できるだけ結婚すべきだ」という意見が増加していた。性別役割分担意識が薄らいできているのではないかと思われる。一方、残りの2項目は格差に関するもので、「最近、貧富の格差が大きくなっている」、「今の世の中は不公平だと思う」という意見が前年より増加していた。景気の回復がいわれる中、個人レベルで見たとき「実感無き景気回復」にとどまっているのではないかと思われる。今後、全データについての構造解析を進め、意識構造のさらなる明確化と内容分析を行っていく。
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Research Products
(1 results)