2007 Fiscal Year Annual Research Report
生活様式・生活意識・生活環境から見た生活原景の変容に関する調査研究
Project/Area Number |
17500523
|
Research Institution | Kyoritsu Women's Junior College |
Principal Investigator |
山森 芳郎 Kyoritsu Women's Junior College, 生活科学科, 教授 (10133117)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児玉 好信 共立女子短期大学, 生活科学科, 教授 (00108200)
岡田 悟 共立女子短期大学, 生活科学科, 教授 (30233331)
|
Keywords | 生活論 / 生活科学 / 住生活 / 生活調査 / 意識調査 / 生活様式 / 生活意識 / 生活環境 |
Research Abstract |
1.紀州山間地における生活原景の変容に関する現地聞き取り調査と調査結果の分析 奈良県吉野郡十津川村へ現地調査に赴き、ヒヤリングや生活調査を行った。急峻な山間地でかたち造られた生活原景は、その後大きく変容したが、旧時の面影をよく留めていることが確認された。藩政期から明治初期にかけての十津川の資料を参考にして、調査結果を解析した。同時に、「限界集落」という言葉に代表される山間村の衰退傾向の中で、山間地のメリットを生かして活気ある活動を展開している地域の事例を基に、今後の山間村のあり方を考察した。 2.熊本、一宇での追加調査 17年度、18年度にそれぞれ調査を行った五木、五家荘(熊本県)、および、一宇(徳島県)について、報告書をまとめる上で追加調査を行う必要が生じ、これを実施した。また、五木、五家荘、椎葉、一宇、馬路を対象とした研究成果を共立女子大学総合文化研究所紀要に発表した。 3.生活意識の構造とその関連要因 2年間にわたって実施された調査データの解析を林の数量化3類を用いて行った。また、明らかにされた構造に関連する要因を探るため分散分析を行った。数量化3類による解析の結果、安定志向-変化志向、自己充足-人間関係重視、自立傾向-不安傾向という安定した3次元の構造が明らかになってきた。さらに基本属性による分散分析を進めたところ、50歳代になると安定志向となっていた。これは、おそらく加齢による効果というよりも、世代効果と見る方が妥当のように思われる。この世代は、旧来の生活意識を残している世代であり、恐らぐ安定志向を求めているのではないだろうか。女性に注目してみると、変化志向を特徴として持ちながら、不安傾向が認められた。男女差別の問題は、現実の社会において、まだ解消されたとはいえない状況が背景となっていると考えられる。
|
Research Products
(1 results)