2005 Fiscal Year Annual Research Report
電磁波を利用したデンプン食品の部位選択的加熱加工法に関する基礎研究
Project/Area Number |
17500534
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
福岡 美香 東京海洋大学, 海洋科学部, 助教授 (10240318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 尚彦 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (00100967)
酒井 昇 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (20134009)
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Keywords | 電磁波 / マイクロ波 / 近赤外線レーザー / デンプン食品 / 糊化 / 誘電特性 / 偏光顕微鏡 / DSC法 |
Research Abstract |
部位特異的に加熱する手法として、電磁波((1)マイクロ波および(2)近赤外線レーザー)による加熱を検討した。 (1)2450MHzのマイクロ波を照射して、目的部位である中心領域のみデンプン顆粒を加熱糊化させた麺を作製することができた。さらに対象物の形状、および誘電特性からマイクロ波の浸透性を予測して、目的部位のみ選択的に加熱することが可能であることが実証できた。すなわち、マイクロ波照射によって生じる麺線内の温度分布は、加熱対象である麺線の直径に大きく依存した。麺線の直径が15mmの場合、照射を開始して約1分後で,中心部の温度は60℃に達しているのに対して、表層部は40℃であった。その結果,中心部のみデンプン顆粒を糊化させることが可能であった。麺線内のデンプン顆粒が糊化したことは、偏光顕微鏡を用いて確認した。一方、麺線の直径が7mmの場合、麺線中心部と表層部とで温度差は生じるが、いずれもマイクロ波照射による温度上昇速度が速く、また両者の温度差が小さいため、中心部のデンプン顆粒だけ十分に糊化させようとすると麺全体が加熱糊化するという問題が生じた。この問題を解決するために、マイクロ波の誘電特性が氷と水とで異なることに着目し、麺線の表面付近のみ凍結させ、中心付近は未凍結となるように処理した麺をマイクロ波照射したところ、中心部のみデンプン顆粒が糊化したことを偏光顕微鏡法によって確認できた。 (2)さらに微小な部位のみ選択的に加熱・加工処理する手法として、レーザー光加熱について検討を行った。モデルデンプン食品として、小麦粉ドウを用いた。半導体近赤外線レーザーを用いて、多方向から照射、集光点が加熱ポイントとなるような加熱装置および数本のレーザー光を集光レンズで集め1方向から照射するレンズ集光法加熱装置を作製した。特に、レンズ集光法では、他方向照射に比べて、集光点のずれが小さくなり、さらに焦点距離の短い集光レンズ(f=15mm)を適用することで、集光点のスポット径を微小化することが可能になった。本装置を用いて、レーザーの出力および集光点からの距離と試料の温度上昇との相関を検証できた。さらに、照射する試料表面にオイルコーティングを施すことによって、試料内部へのレーザー光の浸透を促進することが明らかになった。加熱した試料のデンプン糊化の程度は、偏光顕微鏡法とDSC法によって評価した。
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Research Products
(1 results)