2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17500539
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
高村 仁知 奈良女子大学, 生活環境学部, 助教授 (70202158)
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Keywords | 魚 / 魚臭 / 脂質 / オルファクトメトリー / におい / 抗酸化成分 / 高度不飽和脂肪酸 / カルボニル化合物 |
Research Abstract |
魚類は、海に囲まれた我が国においては主要なタンパク質源として古くから利用されてきた。また、その脂質はn-3系高度不飽和脂肪酸を多く含むため、各種の機能が期待される。しかし、魚類の持つ生臭いにおい「魚臭」は、その嗜好的価値を著しく下げ、魚料理が嫌われる最大の要因となっている。従って、魚臭の少ない魚の調理・加工法を開発することは、魚料理の人気を高め、魚に対する消費の増大につながると期待される。本研究者は、魚の持つにおい成分について、アルデヒド類など脂質に由来する成分がにおいに大きく寄与していることを見出した。これらは高度不飽和脂肪酸が酵素的・非酵素的に酸化をうけて生成すると考えられる。本研究は、これらの脂質酸化に由来する魚臭成分について、抗酸化成分を利用した調理を通して、これらの生成を抑制する方法を開発することを目的として研究を遂行した。 本年度は、我が国において一般に食されている各種の魚類のうち、海水魚でにおいの強い魚としてイワシを選び、抗酸化性を持つ植物性食素材のうち、沖縄において肉料理の消臭に用いられる数種のヨモギを用いて、調理を行い、これらの試料について、各種の脂質劣化指標を測定するとともに、試料から生成する揮発性成分を固相微量抽出(SPME)法により採取し、ガスクロマトグラフおよびガスクロマトグラフ-質量分析計を用いて定量・同定を行った。また、SPME法により採取した揮発性成分について、ガスクロマトグラフ-オルファクトメトリーにより、においの判別を行い、ガスクロマトグラフ-質量分析計により同定したピークと比較し、各成分のにおいへの寄与を解析した。その結果、ヨモギを用いることによって、脂質劣化指標においては有意な差が見られなかったが、イワシのにおいを抑制することができた。現在、さらに各種の抗酸化性を有する食品を用いて調理を行い、においの軽減を行うことができるか、解析を進めている。
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