2005 Fiscal Year Annual Research Report
共焦点レーザー走査顕微鏡による食品の構造解析法と数量的評価法の開発
Project/Area Number |
17500543
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
長野 隆男 愛媛大学, 教育学部, 助教授 (20304660)
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Keywords | 共焦点レーザー走査顕微鏡 / 食品 / タンパク質 / デンプン |
Research Abstract |
共焦点レーザー走査顕微鏡は,微小なピンホールによって非焦点情報を物理的に排除するため,「厚みのある試料」の観察を可能とする。この特徴を利用した食品の新しい観察方法の開発を目的に研究を進めている。平成17年度は,1)タンパク質のゲル構造観察方法と定量化,2)デンプン粒と蛍光標識した増粘多糖類の観察方法について進展がみられた。 まず,タンパク質のゲル構造観察方法と定量化については,豆腐をモデルとして,大豆分離タンパク質(SPI)とその主要成分であるグリシニンについて,ゲル構造の観察と力学物性測定をおこなった。凝固剤として塩化マグネシウムとグルコノデルタラクトン(GDL)を使用した。タンパク質濃度が高い(5%以上)と網目構造と力学物性の結果は差が小さく定量化することは難しいが,タンパク質濃度を下げると結果の差が大きくなるため定量化に有利であることを明らかにした。画像解析ソフトを用いて2値化をおこない,タンパク質の凝集物と網目構造について,数値化の目処がついた。さらに,定量化を進める必要がある。 次に,デンプン粒と蛍光標識した増粘多糖類の観察方法の開発については,4点のことが新たな手法として開発できた。デンプン粒の粒径(大きさ)とデンプン粒の内部構造が観察可能であることを明らかにした。デンプン粒の粒径変化については画像解析を用いて定量化が可能になった。4種類の蛍光試薬を用いて比較検討した結果から,FITCが糊化後のデンプン粒観察には最も優れていることを明らかにした。FITCで標識することで増粘多糖類(ローカストビーンガム)の観察が可能であることを示すことができた。今後,デンプン粒の観察結果について定量化を進める必要がある。
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