2007 Fiscal Year Annual Research Report
小豆ポリフェノールの血圧上昇と脳卒中に及ぼす影響およびそのメカニズムの解明
Project/Area Number |
17500545
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Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
佐藤 伸 Aomori University of Health and Welfare, 健康科学部, 准教授 (40310099)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蔵崎 正明 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教 (80161727)
向井 友花 函館短期大学, 食物栄養学科, 准教授 (60331211)
畑井 朝子 函館短期大学, 食物栄養学科, 教授 (60002557)
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Keywords | 食品 / 小豆ポリフェノール / 循環・高血圧 / 脳卒中 / 一酸化窒素 / 一酸化窒素合成酵素 / マクロファージ |
Research Abstract |
血圧上昇には活性酸素が関与していることが明らかになってきた。高血圧状態では活性酸素が増加し、また動脈硬化進展に関与する炎症細胞(単球/マクロファージ;Mφ)の活性化、遊走や血管内皮への接着等がみられる。一方、小豆は古来より薬用として用いられ、「健康によい」とされながら高血圧の予防・改善に関連したエビデンスはほとんどなかった。そこで、研究代表者らは小豆ポリフェノール(小豆PP)の高血圧における生理的役割を明らかにするために、高血圧モデルラットに小豆PPを投与し、血圧の上昇、活性酸素の増大および血管や臓器へのMφ浸潤に及ぼす影響を検討した。 実験1:高血圧状態(収縮期220mmHg以上)にある脳卒中易発症高血圧ラット(SHRSP)に小豆PP含有飼料を投与し、収縮期血圧を測定し、大動脈や腎臓中のNAD(P)Hオキシダーゼ由来のスーパーオキシド(O_2^-)量をルシゲニン化学発光法により測定した。その結果、大動脈や腎臓の皮質中のO_2^-量が有意に低下した。重篤な高血圧状態では小豆PP投与による高血圧の改善はみられなかったが、小豆PPはO_2^-量を低下させ、血管内皮障害を軽減・改善する可能性が示唆された。 実験2:自然発症高血圧ラット(SHR)に小豆PP含有飼料を与え、収縮期血圧を測定した。また心臓及び腎臓中のNAD(P)Hオキシダーゼ由来のO_2^-産生量をルシゲニン化学発光法により測定した。さらに、免疫染色を施しMφ陽性数を計測した。その結果、小豆PPはSHRの血圧上昇を抑制し、心臓及び腎臓中のO_2^-量を低下させた。また心臓や腎臓へのMφ浸潤を抑制した。 以上の結果から、小豆PPは血圧上昇抑制作用をもち、活性酸素の増大や血管や臓器へのMφ浸潤を抑制することを明らかにした。
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Research Products
(8 results)