2005 Fiscal Year Annual Research Report
食用植物に含まれる抗酸化成分の系統的評価に関する基礎研究
Project/Area Number |
17500547
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
菊崎 泰枝 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 助教授 (60291598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中谷 延二 放送大学, 教養学部, 教授 (10011941)
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Keywords | リグナン / パプアナツメグ / パプアメース / DPPHラジカル捕捉活性 / O_2^-捕捉活性 |
Research Abstract |
本研究は試験管レベルで複数の評価系を用いて食品由来の抗酸化成分の活性評価を行い、化学構造と活性発現の関連性を明らかにすることを目的としており、本年度はニクズク科のパプアナツメグ、パプアメースに含まれるリグナンのラジカル捕捉活性を調べた。試料香辛料を塩化メチレン抽出し、その残渣を70%アセトン水溶液で抽出して酢酸エチル可溶部と水溶部に分画した。塩化メチレン抽出物、酢酸エチル可溶部を各種クロマトグラフィーにより精製を繰り返して10種の化合物を単離し、NMR,MS等による機器分析を行って構造決定した結果、6種がdimethylbutane型、4種がtetrahydrofuran型のリグナンであった。単離化合物のDPPHラジカル捕捉活性を比色法で、O_2^-捕捉活性をルミネッセンサーを用いて測定した。本法ではO_2^-をヒポキサンチン-キサンチンオキシダーゼ(XOD)系を用いて発生させるため、反応液中の尿酸の生成量をHPLCで測定することによりXOD阻害活性を同時に測定し、O_2^-量の減少がラジカル捕捉によるのか、XOD阻害によるのかも検討した。DPPHラジカル捕捉活性については、4-hydroxy-3-methoxyphenyl基を2個有するリグナンが強い活性を示し、ベンジル位がフリーのリグナンほど活性が強い傾向にあった。また、1-(3,4-dihydroxyphenyl)-4-(4-hydroxy-3-methoxyphenyl)-2,3-dimethyolbutane(1)はDPPHとの反応速度が4-hydroxy-3-methoxyphenyl基のみを有するリグナンに比べてやや速い傾向にあった。O_2^-捕捉活性については、1が最も強い活性を示しオルトジフェノール構造が活性に寄与していることがわかった。さらに、nectandrin B, (-)-isoguaiacin等が他のリグナンに比べて強い活性を示したことから、ベンゼン環上の置換基のみならず、リグナンの骨格構造が活性に影響を及ぼすことが示唆された。
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