2006 Fiscal Year Annual Research Report
理解深化を促す教授・学習方法の開発と教師教育への適用
Project/Area Number |
17500574
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
清水 誠 埼玉大学, 教育学部, 教授 (30292634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片平 克弘 埼玉大学, 教育学部, 教授 (70214327)
高垣 マユミ 鎌倉女子大学, 児童学部, 教授 (50350567)
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Keywords | 理科教育学 / 学習科学 / 教授・学習 / 理解 / 教師教育 |
Research Abstract |
本研究は、(1)人がどのようにして、自然の事物・現象のありようについて首尾一貫した、確信の持てる解釈を探索・発見をするのか。(2)解釈することを通して人はどのように新しい知識を構成するのか、また理解活動を通じて探索の方略に関する知識を獲得していくのか。の2点を明らかにすることを目的としている。これに加えて、(3)理解とその深化を促す要件や技能、そして必要な方略を明示した新たな実践的な教授論と方法を確立し、教師教育に適用することが研究の最終の目的である。 平成18年度は、3つの授業を検証した。授業を検証する際には、「1.フィールドワーク、アクションリサーチにより収集したビデオカメラ、MDレコーダの記録をブロトコルや図に起こす。2.Baronnや白水らの研究を踏まえ、児童生徒が自然の事物・現象の理解を深めていく過程を分析する方法を確立し、その分析方法に基づき1で起こした記録の分析を行う。」という方法で進めた。 試行した授業の1つは、相互教授を導入した授業における相互作用の効果を調べた。発話ブロトコルの分析結果から、相互教授を導入した議論の場では自分の考えを主張する発話が多く見られるなどの活発な会話が行われ、多様な形での相互作用が行われるなど概念形成に有効な話し合いが行われていた。2つ目の授業は、実験グルーブの人数の違いが理科学習に与える影響を調べた。小グルーブで実験を行うことは、他者との教え合いにより実験が短時間で済み、生徒相互の関わりが活性化することを見いだした。3つ目の授業は、グルーブで解決の手だてを考えることの効果を調べた。その結果、同一の実験を行う群に比べ実験計画の段階でグルーブの話し合いにより問題解決の資質能力の中の条件制御を意識して学習に取り組むことを見いだした。
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Research Products
(6 results)