2007 Fiscal Year Annual Research Report
公共空間内監視カメラ設置指針策定のための応用倫理的研究およびデータベース作成
Project/Area Number |
17500582
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松王 政浩 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 教授 (60333499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 安功 静岡大学, 情報学部, 教授 (80283331)
淺間 正通 静岡大学, 情報学部, 教授 (60262797)
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Keywords | 監視カメラ / 防犯カメラ / プライバシー / 監視社会 / 情報倫理 / 公共空間 |
Research Abstract |
松王は、昨年に続き、カナダのヴィクトリアで開催された、官・学を対象とした北米最大の「プライバシーとセキュリティ会議(第9回)」に出席し(2008.2.7-8)、講演の聴講および参加者との情報交換を通して新たな知見を得た。特に、北米においては防犯カメラ(CCTV)とプライバシーに関する識者の議論は盛んなものの、市民を主体とする運動の展開は予想したよりも少ないことを、参加者との情報交換から得たが、この点は、今年課題とした日本型議論の展開との比較という点で一つの重要な収穫であった。松王は他に、北大大学院生の日比野とともに、札幌市で行われな「防犯カメラ設置ガイドライン策定会議」の傍聴を継続的に行なった。今回札幌市では会議の委員に公募で一般の市民二人を入れる形で行われたが(ただし、必ずしも「市民的視点が十分反映された」とは言えなかったように思われる)、これは今後の(日本型の)議論の展開を考える上で非常に参考になるものであった。この傍聴およびこれまでの研究成果をもとに、日比野・松王は惜報処理学会「電子化知的財産・社会基盤研究会」にて研究発表を行い、特に防犯カメラをめぐる「プライバシー要件」について新たな提言をなしえたもの考える。さらに松王は、科学技術倫理関連の書籍を執筆する中で、これまでの研究の中で最も重視してきた「自律性の阻害」という点から防犯カメラとプライバシー問題を踏み込んで論じた。この点での論究はまだそれほど例がないものと思われる。 このほか、岡田は国内下級審での関連裁判調査を行い、淺間は国際的視野のもと、改めて個々人のプライバシー観にどのような変化があるのか、考察を行なった。
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Research Products
(4 results)