2007 Fiscal Year Annual Research Report
ダウン症児の認知情報処理特性と言語発達および言語指導の方法に関する研究
Project/Area Number |
17500600
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
玉井 ふみ Prefectural University of Hiroshima, 保健福祉学部, 教授 (10280207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 和子 県立広島大学, 保健福祉学部, 講師 (30280209)
堀江 真由美 県立広島大学, 保健福祉学部, 助教 (90310862)
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Keywords | ダウン症候群 / 認知発達 / 言語発達 / 聴覚的短期記憶 / 言語指導 / 補助代替手段 |
Research Abstract |
ダウン症児の言語発達は、運動、知能、社会性など言語以外の領域の発達に比べて有意に遅れる傾向がある。また、言語発達障害の特徴として、言語理解に比べ、言語表出の遅れが著しい、文法が語彙より遅れる、構音障害の出現率が高いことが報告されている。言語発達の遅れの関連要因として、認知構造の特異性、感覚障害、聴覚的短期記憶障害などが挙げられる。本研究は、ダウン症児の言語表出の遅れの背景にある認知特性を明らかにし、認知特性の弱点を補う言語指導の方法を検討することを目的とした。 聴覚を介して入力される言語情報の記憶に障害があると考えられるダウン症児には、音声言語の補助代替手段として視覚を利用した介入が有効であるといわれている。平成17年度に、認知発達および言語発達の評価を行ったダウン症児6例(男5例、女1例)のうち経過観察および介入を行うことができた4例は、いずれも音声言語による会話能力を獲得していたが、聴覚的短期記憶能力の顕著な遅れが認められ、文の理解と表出、構音の発達に遅れがみられた。言語指導の方法として、ジェスチャー、絵、文字など視覚的な記号を音声言語と同時に提示するマルチ・モーダルなコミュニケーション手段の活用が言語発達を促すうえで有効と考えられた。
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Research Products
(1 results)