2006 Fiscal Year Annual Research Report
全盲学生に点図教材を利用したリアルタイムでの微生物学教育に関する研究
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17500606
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
一幡 良利 筑波技術大学, 保健科学部, 教授 (70090115)
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Keywords | 全盲学生 / 消毒薬 / 手指消毒 / 点図 / 触図 / 微生物学教育 / 莢膜血清型 / ELISA |
Research Abstract |
点図用ドットビューでの読み取りは触図教材よりも、リアルタイムで配信できることは学習上、その教育効果を理解するには一段の進歩である。授業中でも微生物の発育集落を写真に取り、パソコン上に入力して、点図グラフィックディスプレイを用いて、図形データーをリアルタイムで配信できることは、種々の形態の違いを同時に理解することが出来、触図作成するよりはるかに効率的であった。形態の相違と手指消毒前後の発育集落の相違を検討したところ、顕著に数の相違は見出すことが出来た。しかしながら小さい集落は点図用ドットビューでの読み取りに困難な点も指摘された。しかしながら消毒後の手指の汚染度の判定は容易に出来ることがわかった。小集落は拡大画像を用いることにより読み取りの困難さを多少は改善することが出来た。このことより、学生は手指の汚染度の状況を把握し、消毒薬の相違、消毒薬の効果、手洗いの方法を実際に、判断することが出きるので、より正しい消毒法をマスターした。 更に手指から検出された3株の黄色ブドウ球菌については申請者の考案した酵素標識免疫定量法(ELISA)で莢膜血清型別を行った。その結果、莢膜型8型は1株、莢膜型5/8型が3株に型別された。これら手指から黄色ブドウ球菌の検出された人は鼻前庭からも黄色ブドウ球菌が検出され、莢膜型別と全く一致していた。このうち2株はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)でもあった。常在微生物叢と消毒効果ならびに鼻前庭由来の黄色ブドウ球菌の存在を理解することにより、将来医療従事者となる全盲学生にとって消毒効果を実際に判断でき、より微生物学教育の重要性を認識したものと考える。
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Research Products
(6 results)