2005 Fiscal Year Annual Research Report
高校生・大学生との比較による高専生の数学学力の特徴についての調査
Project/Area Number |
17500607
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Research Institution | Hachinohe National College of Technology |
Principal Investigator |
馬渕 雅生 八戸工業高等専門学校, 総合科学科, 講師 (90239145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土岐 泰教 八戸工業高等専門学校, 総合科学科, 教授 (90003334)
鳴海 哲雄 八戸工業高等専門学校, 総合科学科, 助教授 (30228100)
馬場 秋雄 八戸工業高等専門学校, 総合科学科, 講師 (90280320)
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Keywords | 数学教育 / 学力調査 / 高専 |
Research Abstract |
高校生・大学生と、同年齢の高専生の数学学力調査を実施した。4つの高校の教諭、2つの大学の教員たちの協力を得て、高校2年生については4高校6クラスから235名、高校3年生については3高校4クラスから149名、大学1年生については2大学2クラスから60名、大学2年生については1大学1クラスから32名の学力データをとることができた。アンケートは全て、放課後の空き時間を利用して、45分間の試験形式で実施してもらった。試験範囲は、高専の方が先に進んでいるため、高校・大学のカリキュラムに合わせたが、大学入試に比べると易しい基本的な問題がほとんどであった。 高校は近隣の公立高校であり、うち3校は大学への進学状況が県内で中堅といえる学校であり、1校は就職する生徒が過半数であった。大学は、地方の国立大学の理工系学部(数学系と情報系)であった。八戸高専については、本科2年生から5年生までの全クラスで授業時間などを使って実施した。 アンケートの結果を見ると、高校2年生から大学1年生までは、中堅的な高校生・大学生より高専生の学力が劣っていることが明らかになった。平均点を100点法で比べると、高校2年生の比較では15点程度であったが、高校3年生の比較では45点程度もあり、大学1年生の比較では30点程度の開きがあった。これによって、高専の学生が、高校生・大学生に比べて既習事項をどんどん忘れてしまっている事実が明らかになった。ただし、微分積分の計算に関しては、それほど定着率が悪くはないことも確認できた。 大学2年生との比較では、比較する大学が1校と少なかったため、よいデータは得られなかった。しかし、大学生が理解不足気味であるのに対し、高専生の方がよく理解している様子が感じられた。これを確かめることが本研究の主目的であり、来年度の最重要課題である。
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