2005 Fiscal Year Annual Research Report
高専工学教育のための走査型電子顕微鏡を用いた新しい教材開発
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17500608
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Research Institution | Tokyo Metropolitan College of Aeronautical Engineering |
Principal Investigator |
渡辺 静意 東京都立航空工業高等専門学校, 航空工学科, 教授 (40125208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 敏治 東京都立航空工業高等専門学校, 電子工学科, 教授 (40259833)
吉田 健一 東京都立航空工業高等専門学校, 一般科, 講師 (60252201)
田宮 高信 東京都立航空工業高等専門学校, 機械工学科, 講師 (00369951)
冨田 宏貴 東京都立航空工業高等専門学校, 機械工学科, 講師 (10300550)
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Keywords | 高専 / 工学教育 / SEM / リアルタイム配信 / 材料力学 / ナノテクノロジー教材 / RHEED |
Research Abstract |
走査型電子顕微鏡(SEM)は、様々な材料や物質を数万倍まで拡大してその映像を見ることのできる装置である。この装置は、電子工学、精密工学、材料工学等の様々な工学分野で最も一般的でかつ必須の材料評価装置であり、研究活動では盛んに使用されている。しかしながら実際の教育現場では、SEMは特定の場所にあり大人数の使用が難しいこと、装置が2千万円以上と高額なため学生に使用させることには抵抗があり、なかなか利用されることがなかった。本研究では、まず既存の画像配信システムに改良を加え、学内の教室にSEM室からSEM画像を送信する画像配信システムと、オペレーターと教室間のやりとりが可能になる画像音声配信システムの2つの配信ラインを構築した。これによりSEMの画像データを学内LANを通して各教室にリアルタイムで配信するための設備を整備し、学内でSEMを用いた授業が可能となった。 研究の次の段階として、工学教育で実際に使用する具体的な教材開発に現在取り組んでいる。特に本年度は材料力学の教材開発に焦点を当てて行なった。具体的には工業材料として一般的な、クロムモリブデン鋼の静的荷重試験、疲労引張り試験、曲げ疲労試験を行なった。次に破断した試験片断面を、材料力学の授業時間にSEMを用いて教室から観察する教材の開発を行なっている。 次に本校既存の薄膜作製装置に、RHEED(反射高速電子回折)を新規購入して組み合わせることで、原子層レベルの結晶成長が教室で観察することのできるシステム開発に取り組んでいる。これによりSEMでμオーダーの物質観察、RHEEDでナノオーダーの物質観察が教室から可能となるシステム開発に取り組んでいる。
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