2005 Fiscal Year Annual Research Report
基礎数学における三表現の相互関係に注目した、学習者理解度深化法の研究
Project/Area Number |
17500611
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Toyota National College of Technology |
Principal Investigator |
西澤 一 豊田工業高等専門学校, 電気・電子システム工学科, 教授 (40249800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 貴芳 豊田工業高等専門学校, 電気・電子システム工学科, 助教授 (30270268)
所 哲郎 岐阜工業高等専門学校, 電気情報工学科, 教授 (10155525)
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Keywords | 基礎数学 / 理解度深化 / 数式表現 / 図形表現 / 文章表現 |
Research Abstract |
1.数学的表現法と学習内容定着との関係調査 平成14年度の豊田高専電気・電子システム工学科1年生の基礎数学演習の答案用紙を調べ、その数学的表現法の違いにより学生を分類、同学生が4年次(平成17年度)の「過渡現象論」の基本的かつ定性的な問題解決に用いた表現法を、同科目の答案用紙から分析したところ、1年次の表現法の影響が4年次の答案にも残っていると判断できた。 詳しく記述すると、 1)数学演習(分数式の計算演習)で低得点だった学生群A(6名)には、報告者等が開発したWebベースの数学学習システムを使った計算ルールの学習をさせて実験群とし、その次に低得点だった学生群B(4名)を統制群として2種類のポストテストを行なった。 2)ポストテスト1(分数式計算演習)では、A群の得点がB群並となった。 3)ポストテスト2(分数式の採点演習:9問の分数式計算の計算課程を学生が採点し、誤った計算課程については、誤りの生じた箇所と、誤りの理由を書かせる問題では、A群の得点がB群より高くなった。 4)3年後に実施した「過渡現象論」の演習では、A群の得点がB群より高くなった。 であり、基礎数学の(分数式計算における)数学的表現法に敏感な学生は、専門基礎科目学習でも優位性を持つ可能性があることを、確認できた。 本内容を、ATCM2005で発表した。 2.三表現法の相互関係に注力した教育手法のプランニング 数式表現、図形表現、文章表現の三表現の相互関連を積極的に利用する学習を検討した結果、2次関数他の変換(平行移動、伸縮、軸を中心とする回転)を対象とすることが、有益であるとの結論に至った。 3.数式表現と図形表現の相互変換演習の実装 そこで、2次関数を始めとする典型的な関数と、同関数のグラフの関係を、2段階のプロセスで学ぶ、学習支援システムの設計に着手した(H18年度中に実装の予定)。
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