2007 Fiscal Year Annual Research Report
基礎数学における三表現の相互関係に注目した、学習者理解度深化法の研究
Project/Area Number |
17500611
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Research Institution | Toyota National College of Technology |
Principal Investigator |
西澤 一 Toyota National College of Technology, 電気・電子システム工学科, 教授 (40249800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 貴芳 豊田工業高等専門学校, 電気・電子システム工学科, 准教授 (30270268)
所 哲郎 岐阜工業高等専門学校, 電気情報工学科, 教授 (10155525)
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Keywords | 基礎数学 / 理解度深化 / 数式表現 / 図形表現 / 文章表現 |
Research Abstract |
今年度は、線形代数、とくに3次元ベクトルに対する学生の理解を深めるための教育手法に特化して研究を進めた。理工系学生に身近な事例としてロボカップを取り上げ、親近感を持たせた後、プレイヤーロボット、ボール等を単純化した図形に置き換える。これら図形の挙動をベクトルで表現し、ボールの軌跡と各ロボットとの距離を計算する等、競技で必要とされる特性値決定の手段としてベクトルを導入すると、学生の理解が深まることが分かった。図形間の関係を表現することを通してベクトル演算の仕組みを説明すると、納得をしやすくなる。この教育実践について、ATCM07で報告した。 そこで、空間中の平面を表すベクトル方程式の媒介変数を学習者が入力すると、対応する点が3次元空間中に表示され、数点を表示後に3次元空間を回転させると、点群が平面を構成していることを確認できるWebシステムを試作した。また、同システムを低進度学生の補習に利用し、彼らの理解に役立つことを確認できた。知識の定着には、紙と鉛筆を用いた紙上演習が不可欠であるが、演習に先立ち3次元グラフィックスを用いた仮想実験を行っていると、演習での数式操作に図形的な意味づけを持つことができ、より有意味な学習になるようである。この試作システムと、システム上における空間ベクトルのインタラクティブな表現方法について考察し、WBE08で報告した。 本研究における3次元ベクトルに対する理解度深化の試みの有効性については、学習終了から約1年後に実施される平成21年1月の実力試験で、定量的に検証する予定である。
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