2005 Fiscal Year Annual Research Report
学習成果の活用・継承を重視したブレンディッド・ラーニングシステムの開発と実践
Project/Area Number |
17500635
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
下村 勉 三重大学, 教育学部, 教授 (80150217)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須曽野 仁志 三重大学, 教育学部, 助教授 (50293767)
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Keywords | ブレンディッド・ラーニング / e-ラーニング / 学習成果の活用・継承 / Webページ活用授業 / 総合的な学習の時間 |
Research Abstract |
1.研究の背景と目的 e-ラーニングが学校教育にも導入されつつあるが、利用できるデジタルコンテンツが少ない、あっても授業には使いにくい、自作するためにはスキルと多くの時間を必要とする、学習意欲の高い学習者を前提としている、などさまざまな問題がある。そのような中、「e-ラーニング」と「集合教育」を組み合わせて使う「ブレンディッド・ラーニング」が注目されつつある。本研究では、これまであまり重視されてこなかった学習成果に着目し、学習成果をWeb化して、成果の共有・継承に役立てる学習成果活用型のブレンディッド・ラーニングシステムを開発・実践することを目的とする。 2.研究経過と成果 (1)学習成果が有効に活用されてこなかった原因の分析・検討 教科の学習と異なり多様で豊富な学習成果が得られる「総合的な学習の時間」について、その成果を実証的に検証した。一斉指導の中では、学習成果の活用の必要性が少なかったことや、総合的な学習において、学習成果の活用に有効なICTの活用が不十分な現状が明らかになった。 (2)学習成果の活用・継承を重視したブレンディッド・ラーニングシステムの開発と実践 研究代表者および分担者が担当する大学での授業「情報科教育法」「教育工学」において、過去の受講者の学習成果のWebページ閲覧から始まり、学習成果をまとめたWebポートフォリオを作成に至る授業を設計・実施した。これらの実践にあたって、オープンソースのe-ラーニングシステム「Moodle」を利用した。学生へのアンケートから、その利用効果とともに種々の改善点が明らかになった。 (3)学校現場でのWebページ活用授業の試行 上記と同様な発想で、小学校と高等学校で、Webページを活用した授業実践を試み、その効果を検討した。情報環境が進めば、学習成果を重視したブレンディッド・ラーニングの可能性が示唆された。
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