Research Abstract |
教科「情報」は,初等中等教育における情報教育の完成の段階であり,すべての生徒に対し,情報社会に主体的に対応するために社会人として必要な能力と態度を育てなければならないとされる。中でも,「情報モラル教育」は,情報社会が及ぼしている影響を理解し,情報モラルの必要性や情報に対する責任について考え,望ましい情報社会の創造に参画しようとする態度を育成する教育である。本研究は,これを支援するための授業方略・授業モデルや教材開発について,具体的で効果的なディジタル教材のビジョンを示すものである。 平成17年度の研究実績は,(1)「情報モラル」に関する内容の抽出と分析,(2)「情報モラル教育」の授業方略・授業モデルの策定,(3)素材・題材の収集とディジタル教材の試作版の開発と評価,のように3つにまとめることができる。(1)については,「情報モラル」に関連して,教科「情報」の各社教科書から,情報社会に関係する内容を抽出し,「ディジタル環境が及ぼす人間生活への影響」に関する研究成果をもとに「ディジタル・リテラシー」の具定例を提案した。(2)については,授業モデル構築の前段階として,抽出した項目をもとに「情報モラル教育」に関係する項目を学習内容として整理し,情報教育のコアとなり得る新しい枠組み(コア・フレームワーク)を策定し,授業モデルの基礎とした。(3)については,素材・題材の収集を行い,効果的な学習を促進するための授業方略,授業モデルをもとに各種の情報などを活用して,ディジタル教材の試作版を開発し,評価を行った。
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