2006 Fiscal Year Annual Research Report
インターネットを利用した日本語遠隔教育の効果-教材構造、学習者特性との関係から
Project/Area Number |
17500652
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
池田 伸子 立教大学, 経済学部, 教授 (30294987)
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Keywords | 日本語教育 / 遠隔教育 / E-Learning / 学習スタイル / 認知スタイル / 教材構造 |
Research Abstract |
今年度は平成17年度に運用を開始した日本語学習用遠隔教育システムの運用及び改善、その効果の検証を中心に研究を行なった。 (1)昨年度の運用後の調査により明らかになった不具合及び使いにくい点の改善を行なった。 *学習者が同時に多数アクセスした場合に起こるシステム稼動の遅さについて、サーバーの改善を行なうことで解決した。 *学習者から漢字上の「ルビ」が小さくて読みにくいという指摘があったため、別ウインドウで「ルビ」を大きく表示できる機能を追加した。(必要に応じて) *学習者が自分の学習を管理できる機能(どこまで修了しているか、どの程度の正解率か)を追加した (2)海外の学習者の運用を継続して行なった。 (3)学習者履歴の分析を行なった。 (4)学習効果の分析を行なった。 (5)学習者特性(認知スタイル)と学習効果の検証を行なった。 (6)教材構造と学習効果の検証を行なった。 明らかになった点 外国語としての日本語は、遠隔教育システムを利用してある程度可能であることが明らかになった。例えば、文法や文型、語彙、漢字、聴解などについては、教室学習でなくでも学習者の努力によってかなりの習得が可能であった。ただし、習得した語彙や文型を活用した会話については、今後の課題である。 また、認知スタイルと学習効果については有意な効果の差は見られなかった。また、学習スタイルと効果についても同様であった。これは、今回は被験者が少なく、すべての被験者が熱心に学習に取り組んだため、あまり効果に差が見られなかったのではないかと思われる。今後、このシステムを多くの学習者が利用することで、学習スタイルによる効果の差は出てくると予想している。 また、初級段階の遠隔教材は、ある程度教師コントロールの強い構造をとった方が、学習効果が高く現れることが明らかになった。今後は中級・上級の場合の調査も必要であると思われる.
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