2006 Fiscal Year Annual Research Report
「国宝 平等院鳳凰堂内 西面扉絵 日想観」の学術的復元模写による保存に関する研究
Project/Area Number |
17500693
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Research Institution | Kanazawa College of Art |
Principal Investigator |
荒木 恵信 金沢美術工芸大学, 美術工芸学部, 講師 (00381690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 栄次郎 金沢美術工芸大学, 美術工芸学部, 教授 (80180082)
伊藤 英高 金沢美術工芸大学, 美術工芸学部, 助教授 (20381692)
早川 泰弘 独立行政法人文化財研究所, 東京文化財研究所・保存科学部, 科学研究室長 (20290869)
神居 文彰 佛教大学, 文学部, 非常勤講師
荒井 経 国立大学法人東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (60361739)
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Keywords | 文化財 / 文化財保存 / 模写 / 保存科学 / 日本美術史 / 絵画技法・材料 / 仏教学 / 日本画 |
Research Abstract |
本研究の研究期間は四年間であり、実施計画は、1・現状調査、2・図様の復元、3・材料・制作技法の解明、4・色彩の復元、5・復元模写の制作、6・研究成果の発表である。「1」は初年度に実施しており、二年目の平成18年度は「2」、「3」に重点を置き、「4」、「5」の準備を行った。 「1」に関して図様や制作技法の目視による観察と、大型フィルム(8×10)やデジタルカメラなどによる撮影、赤外線撮影を行った。これらは研究対象作品の現状を伝える貴重な資料ともいえる。 「2」に関して復元に必要なことは制作当初の図様とそれ以外のものとの識別、構図の把握、描かれている全ての図様の確認とそれが何であるかなどの問題点の明確化である。そのため研究対象作品と同寸のカラー写真から全図様と復元に必要と考えられる剥落跡を和紙に墨などを用いて上げ写しを行い、写し取ることによって現状の図様をより綿密に調査した。その際、復元の有力な手掛かりと考えられる京都市立芸術大学所蔵「土佐派粉本」の調査結果や赤外線写真、デジタル処理を施した拡大写真も参考にした。これにより不明瞭であった構図の概観を捉え、これまで明らかにされていなかった様々な図様を確認し、問題点も明確なものとなった。復元図の可能性をさらに追求する目的から上げ写しをデジタルデータへ変換してコンピューターに取り込んだ。 「3」に関して、蛍光X線分析の結果を研究対象作品の現状や文献資料などとも照らし合わせて解析し各箇所の絵具の推定を行った。この結果は色彩の復元とも直接関わるため、平等院所蔵「月輪」の色合わせを含めた調査結果を踏まえてより深く考察することとした。下地層に関わる絵具の推定からは下地の彩色方法にいくつかの可能性が考えられたため検証実験を計画している。これらと平行して基底材となる檜の調達と加工方法、和釘などについても綿密な検討を行った。
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