2006 Fiscal Year Annual Research Report
東京大都市圏における小売業態の多様化とその分布特性に関する地理学的研究
Project/Area Number |
17500710
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
箸本 健二 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 助教授 (10269607)
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Keywords | 小売業態 / 立地 / 食品スーパー / コンビニエンスストア / GIS |
Research Abstract |
本研究実績は3章から構成される。第1章は,1都6県に分布する287店舗のコンビニエンスストアを対象として,各店のPOSデータを用いて販売特性に基づく店舗類型化を行うとともに,各類型を規定する商圏固有の要因を,3次メッシュデータ化された各種統計を用いて検討した。その結果,首都圏のコンビニは,販売特性から7つのタイプに類型化され,各タイプは,都心,郊外(国道16号線の内側),外延部(国道16号線の外側)という,3つの地域のいずれかに集中的に分布することを確認した。 第2章では,コンビニの販売実績を平日と休日とに分けて店舗の類型化を行うとともに,平日・休日間での店舗タイプの変動を整理することで,コンビニに対する需要のウィークリーリズムを把握しようと試みた。その結果,1)各タイプの平均残存率(曜日に関係なく同じタイプに留まる)は60.6%と高い,2)国道16号線の内側に顕著な5タイプと,国道16号線の外側に顕著な2タイプとの間では曜日による移動は極めて少ない(曜日以上に地域の消費傾向差が大きい),3)曜日によって来街者の数や層が大幅に変化することが予想される店舗タイプが発生する,ことを明らかにした。 第3章では,近年,低価格食品スーパー業態として急成長を遂げた「均一価格スーパー」に焦点を当て,その最大手である「SHOP99」の業態特性,立地戦略,成長可能性を検討した。その結果,1都3県ではSHOP99が出店可能な空間はまだ多数残されており,既存店の立地条件に基づく推計でも潜在的な出店可能数は850店近くにのぼった。しかし地方都市圏では,人口密度が相対的に低く,かつ単身世帯・2人世帯などSHOP99がターゲットとする少人数世帯が一部の上位都市に集中する傾向が強いため,SHOP99が出店可能な余地は著しく制限されることを明らかにした。
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Research Products
(1 results)
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[Book] 流通空間の再構築2007
Author(s)
荒井良雄, 箸本健二
Total Pages
236
Publisher
古今書院
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より