2006 Fiscal Year Annual Research Report
広角観測用イメージングライダーを利用した大気の実時間広域二次元観測
Project/Area Number |
17510003
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
久世 宏明 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 教授 (00169997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 真人 国立大学法人東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (40242094)
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Keywords | リモートセンシング / 大気観測 / 大気エアロゾル / 可視化 / 気象学 |
Research Abstract |
1.イメージングライダーシステムの実証試験と改良:従来のライダー装置では望遠鏡の視野角は数mradという狭いものであり、この立体角内にレーザー光軸を正確に一致させる必要があった。これに対して、本研究では望遠鏡を固定したままで数分間という短時間にレーザー光の方向を掃引し、散乱光のイメージを得る。ライダーの光源については、おもにアイセーフティの条件を満たす紫外レーザー光を利用した。本年度は、イメージングライダー装置の各コンポーネントの調整・最適化を進め、実証試験を行った。その結果、製作したイメージングライダーの検出器システムが受光角31度、角度分解能4.3分(1.3mrad)という、想定した広角高精度をほぼ満足していることが確認された。この検出システムにより、千葉において夜間の星像の観測にも成功した。 2.イメージングライダーによる大気エアロゾルと雲の二次元観測:昨年度までに実施したシミュレーションによって、イメージングライダーの観測方式として面内(in-plane)型および垂直面内(cross-plane)型の二種類の観測方式を比較検討した。エアロゾル等大気中のターゲットの可視化は両方式ともに可能であるが、面内型ではレーザー光の掃引面と広角望遠鏡の観測面が同一面かつ対向する位置関係にあるため、前方散乱に近い信号を観測することになって、強度的に有利である。一方、垂直面内型ではレーザー光の掃引面が望遠鏡視野にほぼ直交する形になるので、レーザー光の仰角が画像にそのまま取り込まれ、精密な角度設定を要しないという利点がある。本年度は、1/3スケールAshra望遠鏡システムを鉛直上方に向け、その視野角内で紫外レーザー光を掃引することにより、大気散乱光の二次元分布を取得することができた。今後、様々な配置での大気エアロゾル観測を進めていく。
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