2005 Fiscal Year Annual Research Report
高分解能スペクトルと偏光特性を利用した大気気体遠隔測定手法の開発
Project/Area Number |
17510016
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
青木 忠生 独立行政法人国立環境研究所, 地球環境研究センター, NIESフェロー (20004476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森野 勇 独立行政法人国立環境研究所, 大気圏環境研究領域, 主任研究員 (90321827)
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Keywords | アルゴリズム / 地球観測 / 人工衛星 / 気候変動 / 地球変動予測 / 温室効果気体 / リモートセンシング / 放射伝達 |
Research Abstract |
(1)2成分の偏光に分けて観測された放射スペクトルを、いくつかの基底関数で近似展開し、雲やエアロゾルの影響を取り除き、CO_2の量を推定するプログラム開発を行い、精度等について評価した。 (2)視野内でちらつく海上波による散乱光の変動や、衛星の移動中に起こるセンサーの震動等が観測スペクトルに及ぼす影響についてシミュレーション及びヘリコプターや高所からの観測によって調査し、これらが非常に大きな誤差を生む可能性があることを示した。 (3)雲やエアロゾル及び地表アルベドが空間的に不均質に分布している系に適用できるような、3次元放射伝達モデルをモンテカルロの手法によって開発し、平行平板大気に対する放射モデルと比較し良好な結果を得た。 (4)散乱過程を含む大気地表系放射伝達は膨大な計算量を要する。そこでここでは、モノクロマテイック放射を基準関数で展開近似するという新しい手法によって超高速計算を行う方法を開発し、その精度等について評価した。 (5)本研究者が開発してきた多チャネル衛星データを圧縮する技術を使い、衛星データを数個の仮想チャネルに圧縮したものを全球CO_2発生・吸収源の逆推定計算の入力データとした場合と、リトリーバルによって得られる気柱量を入力データとした場合について、後者のデータ精度を様々に変えながら、逆推定精度を比較した。 (6)シミュレーションに使用した吸収線パラメータや装置関数が現実的なものでなければならない。これらの妥当性を評価するために、高分解能フーリエ分光計により太陽直達光に吸収される大気微量成分のスペクトルの高精度観測を行った。更に、観測スペクトルのリトリーバル解析を開始した。予備的解析を行い、定性的な検討を行った。
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