2006 Fiscal Year Annual Research Report
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17510022
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
亀山 純生 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 教授 (20161242)
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Keywords | 風土 / 日本的自然観モデル / 人間と自然の共生 / 環境倫理 / 現代人の自然観 / 物語の自然観 |
Research Abstract |
1.本研究の第一の目的に関わって、前年度に引き続き「人間と自然の共生」理念と日本的自然観、および風土との関わりについて原理的検討を深めた。特に、日本文化のアイデンティティ論やモラルと「風土」の関係についてシンポジウムに参加し、ナショナリズム論の文脈と環境倫理の文脈との位相の交錯と風土概念の相違を検討し、その成果の一部を論文として公表した。また、岐阜県における「風土保全プログラム」との交流を行い、中山間地域における風土保全の実践を通して、環境倫理における風土の意義の検証・深化を図った。さらに、風土的環境倫理の理論的焦点の一つとして風土における共同性の質の理論的検討を行った。なお、前年度にひきつづき、風土的環境倫理が日本的自然観を背景とした「人間と自然の共生」理念の具体化であることを検討中である。 2.今年度は第2年度として、前年度に引き続き、基礎的文献・資料の収集を行い、解析の予備的作業を行った。本研究の第二、第三の目的とも関わって、日本的自然観関連文献を検討し、日本的自然観のモデル化(第一段階)を前年度に引き続いて継続し、モデルの改良を試みた。 3.本研究の第二の目的と関わって、上記モデルを利用して、物語・昔話などから析出される民衆生活レベルでの自然観(自然への態度)と現代人の日本的自然観との異同の解読作業を、前年度に引き続き進めている。 4.本研究の第二、第三の目的に関わって、現代社会における日本的自然観の現状を把握するための一つの手がかりとして、前年度に引き続き上記の日本的自然観のモデル化に基づくアンケートを実施し、集計・整理を行った。 5.本研究の第三の目的に関わって、風土における自然観を調査するために、専門家の指導助言を受け、現地調査を集中的に行い、日本的自然観のモデルとの異同の検討を開始した。また、学会などで自然観・風土・環境倫理学の研究者や地域づくり関係者と意見交換を行った。
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