2005 Fiscal Year Annual Research Report
腸球菌を新たな指標とした公共用水域での糞便汚染評価手法の構築
Project/Area Number |
17510026
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
岩堀 恵祐 静岡県立大学, 環境科学研究所, 教授 (40183199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 直幸 静岡県立大学, 環境科学研究所, 助手 (20285191)
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Keywords | 糞便汚染 / 公共用水域 / 腸球菌 / Enterolert法 / M-エンテロコッカス法 / Colilert法 / 大腸菌 / 大腸菌群 |
Research Abstract |
本研究は、大腸菌・大腸菌群に腸球菌を加味した糞便汚染評価手法の構築を目指したもので、平成17年度に得られた研究成果は次のように要約できる。 腸球菌の基準菌株としてEnterococcus faecalis JCM5803を、また大腸菌としてEscherichia coli JCM1649、大腸菌群としてKlebsiella pneumoniae subsp. Pneumoniae JCM1662とEnterobacter aerogenes JCM1235、Citrobacter freundii JCM1657、擬陽性の可能性があるStreptococcus bovis JCM5802、Aerococcus viridans NBRC12219をそれぞれ供試した。これら7菌株による各種の糞便汚染評価手法を比較検討したところ、米国EPA推奨のmEI法では、E.faecalisの純粋培養系で良好な結果が得られず、また同推奨のmE法では、S.bovisとA.viridansのコロニー形成が確認されたため、多様な菌叢の公共用水域への適用が困難であると判断された。また、Enterolert法の擬陽性確認結果では、S.bovisとA.viridansによる陽性反応は認められなかった。純粋・混合両培養系での検討結果を踏まえると、腸球菌の評価手法として、上水試験方法の準公定法であるEnterolert法と下水試験方法推奨のM-エンテロコッカス法の併用が最も有効であることが明らかとなった。Colilert法の検討結果では、良好な相関関係と回収率が確認され、大腸菌・大腸菌群の有効な評価手法であることが確認された。小型合併処理浄化槽の試料で確認試験を行ったところ、浄化槽内での大腸菌・大腸菌群と腸球菌の挙動に相関性があり、またEnterolert法とM-エンテロコッカス法に高い相関関係が認められた。以上の検討結果から、公共用水域の糞便汚染評価指標として、Enterolert法とM-エンテロコッカス法、Colilert法の併用が望ましいことが示唆された。
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