2007 Fiscal Year Annual Research Report
野生メダカ個体群の絶滅確率による有害化学物質の生態リスク評価
Project/Area Number |
17510027
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
田中 嘉成 National Institute for Environmental Studies, 環境リスク研究センター, 室長 (60338647)
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Keywords | 生態リスク評価 / 群集レベル効果 / 生態毒性学 / 生態系機能 / アクアリウム / 栄養転換効率 / 動物プランクトン群集 / メダカ |
Research Abstract |
3栄養段階群集モデルを,3種(藻類,ミジンコ,メダカ)の個体密度(バイオマス)を変数とする非線形連立微分方程式として組み立てた.モデルによる生態系影響評価の基準として,栄養転換効率(藻類が生産したバイオマスが上位捕食者に取り込まれる比率)を取り上げ,これを最大化するモデルパラメータおよび構成種の機能形質を明らかにした.その結果,系の状態(富栄養か貧栄養か,魚の密度が高いか低いか)に関わらず,ミジンコの同化効率が重要であることが示唆された.ミジンコの同化効率は体サイズが小さくなるほど低下すると言われているので,化学物質の群集撹乱効果によって生態系機能が影響を受ける基本的なスキームが得られた. これらの理論的な予測を検証するためのマイクロコズム実験系(アクアリウム実験系)の立ち上げを行った.90L飼育容器に、藻類(クロレラ、ミカズキモなど)、動物プランクトン(カブトミジンコ、タマミジンコ、ネコゼミジンコ、マルミジンコ、ゾウミジンコなど)、魚(メダカ)を同時に飼育し、化学物質の動物プランクトン群集への影響を、最上位者(メダカ)のバイオマス増分(生産力)として定量化する。本年度は、実験系の確立のための基礎的なデータを収集した。藻類のアクアリウムにおける培養は困難であることから,定量添加の方法が検討された.栄養転換効率はメダカのバイオマス増分として測定可能なこと,動物プランクトン群集の共存が可能なことがわかった.
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Research Products
(3 results)