2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17510029
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
今泉 幸子 日本女子大学, 理学部, 助手 (10247091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蟻川 芳子 日本女子大学, 理学部, 教授 (00060666)
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Keywords | 鉛同位体比 / LA / ICP-MS / ヒト / 毛髪 / 鉛暴露 |
Research Abstract |
今年度は毛髪中の鉛同位体比について、測定の簡便化及び毛髪実試料の前処理について検討後、採取した毛髪実試料の鉛同位体比測定を行った。測定の簡便化の検討は、BCR CRM397毛髪標準試料を用いた。LA/ICP-MS測定には、毛髪試料を30kg/cm^2の圧力で加圧調製したペレット試料を用いた。測定値の規格化にはNIST SRM981Leadを用いた。ICP-MSはAgilent7500ICP-MSを用い、RFパワー1.4kW、アルゴンガス流量1.2〜1.3L/minとした。またレーザーはNd:YAGレーザー(266nm)を用いた。レーザーエネルギーは3.1mJ、スポット径300μm、積分時間0.5sec、繰り返し速度20Hzでon focus測定が最適であった。また測定時のメモリー効果や測定系の汚染の影響を小さくするため、アルゴンガスによる測定系の洗浄を行った。さらに測定の簡便化を計るため、試料を粉末状のまま両面テープの片面に付着させた測定試料(テープ試料)を調製し、同位体比測定の可能性の検討を行った。このときレーザーエネルギーは1.8mJが最適であった。テープ試料を測定したところ、NIST標準試料の鉛同位体比は^<206>Pb/^<207>Pbとして1.093、^<208>Pb/^<206>Pbとして2.188が得られた。相対標準偏差はそれぞれ3.07%、4.33%で、ペレットに比べバラツキが大きくなった。一方、毛髪標準試料をテープ状試料で測定したところ、相対標準偏差が6%を超えてしまった。新たな試料調製法により、測定簡便化の可能性が得られたものの、さらに精度の改善が必要である。また毛髪実試料の前処理として、洗浄、乾燥、灰化条件を決定し、ペレット法での実試料の測定を開始した。
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