2005 Fiscal Year Annual Research Report
社会の多様性を前提とした循環型社会形成のためのシステム選択支援に関する研究
Project/Area Number |
17510031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
木村 富美子 創価大学, 通信教育部, 助教授 (20225056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 清子 首都大学東京, 都市環境学部, 教授 (00198649)
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Keywords | 多基準分析 / 環境問題 / 評価 / 意思決定支援 |
Research Abstract |
社会の多様性を踏まえたシステム選択と評価のあり方を検討するために、システム選択の前提となる情報のあり方を明らかにし、かつ、その情報を合意形成につなげる方法として、多基準分析を活用することによって、システム選択における合意形成支援を検討した。 平成17年度においては、多視点・多基準・多主体を考慮した評価と意思決定の枠組みを明らかにするための予備的調査として、環境分野のうち特に人々の生活と密接な関係にある廃棄物である家庭生ゴミの処理方法に関する選択問題を設定し、一般の市民から行政や専門家の立場にある人まで異なる背景をもつ人々を対象に評価の試行実験を行った。 家庭生ゴミの扱いのように多くの人々の生活に影響を与えるようなシステムを考えるにあたっては、より多くの人々の納得と協力が得られるよう、様々な観点から代替案を評価することが求められる。この実験は廃棄物のリサイクルにおける私的意思決定と公的意思決定のそれぞれにおいて、多基準分析及び多基準マッピング手法活用の実効性検討を目的したシステム選択の試行実験である。 人々の日常の暮らしに特に密接な家庭生ゴミの堆肥化システムに関しては、家庭で発生した生ゴミを、どの段階で、誰が、どこで、どのように行うかによって様々な問題が生じうる。システム選択支援手法については、問題の捉え方は人それぞれ違うことから、評価スコアに従って代替案を選択した場合に、トレードオフが受け入れられない人々の選好や、選択の結果として想定される事態への対応を視野に入れたルールと支援手法が必要であると考えられる。 今回の試みのように代替案評価において問題領域を最大限に確保しつつ評価のプロセスを可視化したうえで、さらに共有し、フィードバックしていくことができれば、各人の参加意識を維持しつつ評価の収斂を促し、何らかの合意形成へとつなげていくことが可能になるものと考えられる。
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Research Products
(8 results)