2006 Fiscal Year Annual Research Report
中国の環境影響評価制度における公衆参加と環境利益の保護に関する研究
Project/Area Number |
17510032
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
北川 秀樹 龍谷大学, 法学部, 教授 (60360252)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 啓子 龍谷大学, 経済学部, 教授 (20229371)
王 いく 同志社大学, 商学部, 講師 (40411061)
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Keywords | 環境影響評価制度 / 公衆参加 / 公聴会 / 法執行 / 情報公開 / 環境意識 |
Research Abstract |
1.日本国内で7月22日に「環境政策における情報公開と公衆参加」をテーマに研究会を開催した。東京経済大学・磯野弥生氏から世界の動向について基調報告がされた後、アジア経済研究所・大塚健司氏、拓殖大学・奥田進一氏、鳥取環境大学・相川泰氏、研究代表者・北川秀樹からそれぞれ専門の立場から関連テーマについて報告を行い、環境影響評価制度を含む環境政策について議論した。 2.研究代表者は、8.月6日〜15日まで、寧夏回族自治区、西安市、北京市を訪問調査した。寧夏回族自治区では「生態移民」政策実施の現場に赴き、政策実施に当たっての農民の意見聴取の状況を調査した。また、西安市、北京市の大学研究者と環境影響評価制度と公衆参加について意見交換し、資料収集した。 3.研究代表者と研究分担者・増田啓子は、2月2日に「環境影響評価と公衆参加に関する日中共同研究会」を北京市で開催した。中国側から北京市と西安市の研究者および中央政府の環境影響評価業務担当者が参加し、日中双方の研究者がそれぞれ報告、意見交換を行った。報告者は環境影響評価の運用実態、特に公衆参加の実態と課題について具体的な事例(道路、発電所等)に即して報告を行い、また中国で現在策定中の関係法規についての紹介があり、日中の制度についての長所、短所、比較などについて議論した。 4.今年度に得られた知見としては、中国の環境影響評価制度の執行率(公式発表)は100%に近いが、これは補正後のものであり、全国大部分の省級建設プロジェクトの環境影響評価執行率は70%そこそこであり、地市級では40%しかなく、一部の地区の県以下の企業と郷鎮企業はわずか20%程度であること、公衆参加の規定の整備が追いつかず案件によって実施方法がまちまちであること、公衆参加の前提としての情報公開がきわめて不十分であること、経済発達地区の沿海都市部では急速に参加意識が高まっていることなどであった。
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Research Products
(2 results)