2007 Fiscal Year Annual Research Report
高度重金属耐性鉄酸化細菌による鉱石,汚染土壌,廃液からの重金属回収システムの開発
Project/Area Number |
17510069
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
竹内 文章 Okayama University, 保健環境センター, 准教授 (90294446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉尾 剛 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (20033269)
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Keywords | 鉄酸化細菌 / Acidithiobacillus ferrooxidans / バクテリアリーチング / 環境浄化 / 高度水銀耐性株 / 電気培養 / 土壌浄化 / 重金属回収 |
Research Abstract |
鉄酸化細菌Acidithiobacillus ferrooxidansは,バクテリアリーチングや環境浄化などで非常に有用な細菌として注目されている。自然界より単離した鉄酸化細菌150株に対して水銀耐性株のスクリーニングを行い,A. ferrooxidans SUG 2-2株を選択した。さらにSUG 2-2株を植継培地の塩化水銀濃度を徐々に上げて調製し20μMの塩化水銀存在下でも増殖可能な高度水銀耐性株A. feerooxidans MON-1株を得た。これらの耐性株には,NADPH依存性の水銀還元酵素活性に加えて,二価鉄依存性の無機水銀気化活性を持つことを明らかにした。今回は,MON-1株が無機水銀のみでなく有機水銀に対しても二価鉄依存性の分解気化活性を示すことを新たに見出した。鉄酸化細菌には有機水銀分解活性鵬merBは持っていないことが報告されていたが,MON-1株にはmerBと同様な活性が細胞膜に存在し。cytochrome c oxidaseが重要な役割を果たしていることを発見した。このことはMON-1株は,無機水銀及び有機水銀で汚染された水銀汚染土壌,水銀廃液から水銀を金属水銀(Hg^0)として気化する機能を有するため,既存の吸着設備を組合せることによって高温加熱することなく,低コストに水銀を選択的に回収する技術として利用できる。実際に汚染された土壌現場における現地試験で実用化の確認をした。本菌は化学合成独立栄養細菌で増殖が遅いために,少量の培地で高濃度の菌体を得ることが可能な独自の電気培養装置を開発した。本装置によって通常培養による方法と比べ20分の1の培地容量で,130倍近くの菌体回収が可能となった。このことによる種々の菌体ctochrome c oxidase等の酵素精製と生化学的解析,水銀等の環境浄化,銅等のバクテリアリーチングの活性化,土壌の利用技術などに関するシステム開発の基盤となった。
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Research Products
(9 results)