2005 Fiscal Year Annual Research Report
土壌汚染修復のためのピレン分解菌モニタリング用プローブの開発と菌の活性化
Project/Area Number |
17510073
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
峯木 茂 東京理科大学, 理工学部, 助教授 (40120216)
|
Keywords | ピレン / 多環芳香族炭化水素 / Mycobacterium / 土壌汚染 / モニタリング |
Research Abstract |
ピレン資化性菌Mycobacterium sp.H2-5株をピレンまたは酢酸を唯一の炭素源とする無機培地で生育させ、(a)菌体を超音波破砕後、未破壊菌体や細胞破片を遠心除去した上清を2次元電気泳動に供した。(b)膜タンパク質抽出用キットを用いて菌体を超音波破砕し、可溶性画分を2次元電気泳動に供した。 その結果、ピレン生育時に特異的に発現したタンパク質スポットを(a)で6個、(b)では約20個確認した。これらのタンパク質のN末端付近のアミノ酸配列を読み、データーベースを利用した類似性検索を行った結果、ジオキシゲナーゼの小サブユニットNidB、アルデヒドデヒドロゲナーゼNid D, PhdH、また、2'-カルボキシベンザルピルベートヒドラターゼ-アルドラーゼPhdJを得た。これらのタンパク質のうち、NidBはピレン分解時に特異的であるが、他はフェナントレン等の低分子量多環芳香族炭化水素でも発現する。また、NidBは大サブユニットNidAと結合してジオキシゲナーゼを構成するとされているので、これらタンパク質やその遺伝子がピレン資化能のプローブとして利用できそうである。そこで、他菌株においても、これらの遺伝子をクローニングするとともにデータベースから抽出し、それらの塩基配列と基質特異性との関連を調べた。すなわち、種々のnidAとnidB遺伝子の塩基配列のアラインメントをして、ピレン資化菌に特異的な部分を探した結果、nidAではアミノ酸配列303-316付近をコードする909-948base付近が、また、nidBではアミノ酸配列38-61付近をコードする114-183base付近がCARD-FISH等のプローブになりうると考えられた。さらに、16S rDNAの配列では409-451base付近がプローブの候補になると考えられた。
|