2005 Fiscal Year Annual Research Report
酸化チタンの光誘起親水性と分解性を利用する畜産臭気の脱臭
Project/Area Number |
17510081
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanagawa Academy of Science and Technology |
Principal Investigator |
砂田 香矢乃 (財)神奈川科学技術アカデミー, 光科学重点研究室・光機能材料グループ, 研究員 (20311433)
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Keywords | 酸化チタン / 光誘起親水性 / 太陽光の利用 / 防臭効果 / 光誘起分解性 / 畜産臭気 / アンモニア |
Research Abstract |
事業者に対して住民の悪臭に対する苦情が増え、その苦情への対策を怠ると罰則が適用されるため、脱臭や防臭に関する技術が求められている。特に、都市近郊農業から畜産臭気が問題となる場合が多いため、畜産臭気に対する防臭は、切実に求められているものである。そこで、酸化チタンの光誘起分解性と親水性を利用した畜産臭気に対する防臭システムの開発を目的とした。本システムは、日中、太陽光が光触媒面に照射されているときは、光誘起分解性から畜産臭気を酸化分解し、夜間の日射がないときは光誘起親水性を利用して、アンモニアなどの水に溶けやすい気体を、親水性からの水膜に吸収させて防臭しようというシステムである。 まず、本システムに利用する光触媒材料の選定を行った。酸化チタン、酸化チタンと各種吸着剤を担持した4種類の不織布でできた光触媒フィルターの吸着特性をLangmuir吸着等温式によって評価し、吸着特性の良かった2種類のフィルターの酸化分解能と洗浄再生能を硝酸生成量から測定し、アンモニア吸着と酸化分解能に優れ、さらに生成した硝酸が水で容易に洗い流せる材料を選定した。 次に、選定した光触媒フィルターとバイオフィルターを実際の豚舎に施工し、その防臭効果を調べたところ、豚舎内のアンモニア濃度が10〜40ppmと推移したのに対し、光触媒フイルター通過後は、常に<2ppmとなった。また、低級脂肪酸類についても、たとえばプロピオン酸は、豚舎内が、50〜250ppbと推移したのに対し、光触媒フィルター通過後は、5ppb以下となり、本システムの防臭効果が認められた。また、光触媒フィルターに散水後、落下してきた水中にあるイオン濃度から、光触媒フィルターに吸着したアンモニアは、光触媒反応によって硝酸に酸化されていることが確認できた。
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