2006 Fiscal Year Annual Research Report
酸化チタンの光誘起親水性と分解性を利用する畜産臭気の脱臭
Project/Area Number |
17510081
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
砂田 香矢乃 東京大学, 先端科学技術研究センター, 産学官連携研究員(特任助教授) (20311433)
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Keywords | 酸化チタン / 光誘起親水性 / 光誘起分解性 / アンモニア / 防臭効果 / 堆肥舎の臭気 / 太陽光利用 |
Research Abstract |
事業者に対して住民の悪臭に対する苦情が増え、その苦情への対策を怠ると罰則が適用されるため、脱臭や防臭に関する技術が求められている。特に、都市近郊農業から畜産臭気が問題となる場合が多いため、畜産臭気に対する防臭は、切実に求められているものである。そこで、酸化チタンの光誘起分解性と親水性を利用した畜産臭気に対する防臭システムの開発を目的とした。ウィンドゥレス豚舎または密閉式の堆肥舎から排出される畜産臭気を対象とし、バイオフィルターで一次処理を行った後、光触媒反応を用いて二次処理を行う方法とし、高度に防臭できるシステムとした。 実際の密閉式堆肥舎(100m×8m)に、バイオフィルター2層(15.6m×2m×2層、デンマークSKOV社製)とともに選定した光触媒フィルター1層(15.6m×2m)を設置し、その臭気低減効果を評価した。堆肥舎内のアンモニア(45〜70vppm)に対して、バイオフィルター通過後は10〜20vppm、光触媒通過後は0.5〜11vppmと観測された。この濃度と排気される空気量により、堆肥舎から排出されるアンモニア臭気に関してバイオフィルター・光触媒フィルターでのそれぞれの除去量を求めたところ、その約70%をバイオフィルターによって、光触媒フィルターによってその約20%を除去できると求めることができた。この結果より今後の本システム設計での重要な指針が得られた。また、硫黄化合物系の悪臭物質を測定したところ、バイオフィルター通過後は堆肥舎内とほとんど変わらない濃度が検出されたが、光触媒フィルター通過後は、検出限界に近い濃度まで低下しており、バイオフィルターでは防臭できない微量で非常に悪臭である硫黄化合物系の臭気を光触媒フィルターでは除去・防臭できることがわかった。
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