2005 Fiscal Year Annual Research Report
TEMナノプローブマニピュレーション法による炭素ナノ材料の特性評価分類
Project/Area Number |
17510095
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
葛巻 徹 東京大学, 生産技術研究所, 技術専門職員 (50396909)
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Keywords | TEM / マニピュレーション / カーボンナノチューブ / ナノメカニクス |
Research Abstract |
本研究は,カーボンナノチューブ(CNT)をはじめとする炭素ナノ材料単体をナノプローブマニピュレーションにより直接操作し,構造とその材料が持つ基礎物性を系統的に評価・分類してデータベース化することで使用目的に応じた材料の最適化を図ることを目的とする.具体的には,透過電子顕微鏡(TEM)内でのナノプローブマニピュレーション技術を適用し,構造を観察しながら個々の炭素ナノ材料単体の引張試験,曲げ試験及び電気的特性の評価を行う.TEM内でCNTやダイヤモンドナノ粒子の力学物性値や,電界電子放出特性等の電気的特性を評価することにより,それぞれの特性に影響を与える構造的要因を原子レベルで明らかにする.本年度は,市販のAFMカンチレバーを装備したマニピュレーションユニットの開発により,多層CNTの電気的特性に加えて微小変形に要する力の計測を実現した.CNTの座屈,曲げ変形時の力の計測から求めたヤング率はばらつきが大きく,数十GPaから数TPaの値を示すことが明らかとなった.CNT組織のTEM観察の結果,個々のCNTにはそれぞれ製法ごとに構造的特徴があり,これが機械的性質に影響を与えていることが明らかとなった.これまでのところ多層CNTは組織観察と機械的性質の評価で分類が可能であることを示唆する結果を得ている.しかし,各種CNTの電気伝導性には有意な差が認められず,ほぼ同程度であった.現在は,多種類のCNTについて計測を行うと共に,CNTの力学的・電気的特性に影響を及ぼす構造因子や欠陥構造の定量的評価を目指し,多目的材料試験を可能にするTEM試料ホルダーの開発に取り組んでいる.
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