2005 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノウォールを用いた次世代電子デバイスの開発
Project/Area Number |
17510101
|
Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
平松 美根男 名城大学, 理工学部, 助教授 (50199098)
|
Keywords | カーボンナノウォール / グラファイト / ラジカル注入 / プラズマCVD / 電子放出 / 白金坦持 / 超臨界 |
Research Abstract |
2次元に広がった厚さ十数ナノメートルのシート状構造体が基板に垂直に成長するカーボンナノウォールは、垂直に立ち並んだグラファイトの薄い壁と、その広い表面積が特徴で、次世代の電子デバイスへの応用が期待される。本研究では、ラジカル注入を用いた新規のプラズマCVD装置を用いて、カーボンナノウォールの形成を行い、分光法を用いてカーボンナノウォールの成長メカニズムを明らかにするとともに、カーボンナノウォールからの電子放出特性や、ナノウォール表面への金属ナノ粒子の坦持能力を調べ、電子放出素子、ガスセンサ、燃料電池電極等、次世代電子デバイスへの応用可能性について検討を行った。 カーボンナノウォール形成における重要活性種の同定を目的として、カーボンナノウォールが安定に再現性良く形成可能な条件を中心に、水素ラジカル注入を用いた高周波フロロカーボンプラズマ中のカーボン源ラジカルの測定を系統的に行い、これまでに計測した水素ラジカル密度との比、ナノ構造体の諸特性(成長速度、モフォロジー、結晶構造等)との関連について明らかにした。更に、炭素源ガスの種類やラジカルの流れを制御することにより、カーボンナノウォールの密度の制御を行うとともに、ストライプ構造のカーボンナノウォールの形成に成功した。 カーボンナノウォールの電子放出デバイスへの応用として、カーボンナノウォールからの電子放出特性について検討を行い、カーボンナノウォールの密度の制御により、電子放出の閾値電界の低減が可能であること、窒化処理等のウォール表面修飾により、電子放出特性が改善されることを示した。更に、ガスセンサや燃料電池電極への応用を目的として、超臨界CO2を用いた新規金属ナノ粒子坦持法により、カーボンナノウォール表面への白金ナノ粒子の高密度均一坦持を実現した。
|