2008 Fiscal Year Annual Research Report
単分子観察法を活用したゲノムDNA二本鎖切断反応の速度解析と遺伝子活性
Project/Area Number |
17510102
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Research Institution | International Pacific University |
Principal Investigator |
吉川 祐子 International Pacific University, 次世代教育学部, 教授 (80291871)
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Keywords | ナノバイオ / 蛍光顕微鏡 / DNA二本鎖切断 / 単分子観察 / 遺伝子機能 / 活性酸素 / 長鎖DNA |
Research Abstract |
細胞内での活性酸素等によるDNAの損傷の中でも、特に二本鎖DNAの切断は、ゲノム異常や発がん等の疾患を生じさせ、生命にとって重篤な障害を与える。しかしながら長いDNAの二本鎖切断反応に関する研究は、塩基の化学変化や一本鎖切断などに比べ、著しく立ち遅れている。その主たる理由は、ゲノムDNAのような長鎖DNAについては、二本鎖切断反応を調べるための実験手法が未確立であるためである。本研究では、主として蛍光顕微鏡を用いた単一分子観察法を活用することにより、ゲノムDNAのような巨大DNA分子(50kbp〜200kbp程度)の二本鎖切断反応のリアルタイム観測や、放射線照射後の二本鎖切断の定量的計測を行った。 結果として、以下のような成果が得られた。 1. 長鎖DNAの二本鎖切断を指標として、水溶性フラボノイド類やビタミンC等、種々の生理活性物質の抗酸化能を定量的に解析した。本方法は、単一物質の抗酸化能の評価だけではなく、複数の抗酸化物質が含まれた系の抗酸化能を迅速に評価することも可能である。今後さらに、DNAをマーカーとして、様々の機能成分が含まれているようなサプリメントや健康飲料についても、その抗酸化性の迅速な評価法として有用であると考えられる。 2. 生体ポリアミンであるスペルミジンでDNAを凝縮させると、ガンマ線によって引き起こされる二本鎖切断が顕著に抑制されることを明らかにした。
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Research Products
(4 results)