2005 Fiscal Year Annual Research Report
機能的マイクロコンポーネントを有するマイクロ化学デバイスに関する研究
Project/Area Number |
17510110
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
筒井 博司 大阪工業大学, 工学部, 教授 (00351453)
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Keywords | μ-TAS / マイクロバルブ / マイクロフィルタ / マイクロミキサ / 樹脂成形 / マイクロ金型 / メッキ |
Research Abstract |
マイクロ化学デバイスに関する研究 ディスポーザブルな血液分析に用いるマイクロ化学デバイスに組み込む各コンポーネントの研究開発状況について報告する。 1.マイクロバルブ マイクロ流路中にマイクロヒーターと樹脂による微細構造を形成し、ヒーターの加熱条件と樹脂微細形状の変形状態を観察し、最適条件として1.5ジュールのエネルギーで最適にマイクロバルブが駆動することを確認した。 2.マイクロフィルタ マイクロフィルタを実現するための微細構造を形成するため、フォトグラフィー用マスク製作を行った。 3.マイクロミキサ マイクロ流路においては低レイノルズ数において層流になることから、マイクロ流路内における流体を回転させるための流路内の微細構造形成を行った。流路底面に斜め方向の微細繰り返し構造を設けることにより、効率よく短い距離にて流体が回転することを、実験と流体シミュレーションを用いた解析の両面から確認した。今後この構造を組み合わせて新しい流体マイクロミキサの提案と、実現のための実験を進める予定である。 4.マイクロ金型 フォトリソグラフィーを用いた厚膜レジストのパターニングとNi無電解メッキにより、マイクロ流路パターンを有するマイクロ金型作製実験を行った。当初厚膜フォトレジストのメッキ液による剥離が顕著であったが、条件設定により回避し、Ni基板上にNiパターンの形成が可能になった。金型パターンは幅100μm、高さ50μmのパターン化した流路でマイクロ金型の製作が可能となった。 5.マイクロ樹脂成形 加熱加圧による樹脂の熱成形を行うための、ダイセットを用いた手動による成形装置を設計製作した。成形のための樹脂には、軟化点が低く成形が容易でかつ生体への影響の少ないポリエチレンテレフタレート(PET)を使用した。i)圧力、ii)温度、iii)時間をパラメータとして最適化を行い、加熱温度、加熱冷却のプロフィルを最適化することにより、金型の微細構造をほぼ正確に転写できることを確認した。
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