2005 Fiscal Year Annual Research Report
中山間地における相互扶助型災害時避難システムと救援システム構築
Project/Area Number |
17510125
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
二神 透 愛媛大学, 総合情報メディアセンター, 講師 (40229084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木俣 昇 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (30026166)
高山 純一 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (90126590)
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Keywords | 防災計画 / 中山間地域 / ペトリネット / 緊急車両 / 互助避難 / シナリオ |
Research Abstract |
避難に関する研究は、従来より様々な視点よりなされている。それらの多くは、対象が市街地であり、市民を災害から直接守る、あるいは、一次的に避難することにより災害リスクを軽減するための経路や、避難行動を記述する研究がほとんどである。最近では、シミュレータを開発することにより、さまざまなシナリオを想定した、避難計画の評価研究が行われている。 本研究の特徴は、中山間地域といった、これまで注目されていなかった地域に着目し、地形・道路形態といった避難に大きく影響を与える地形に着目し、個々人に着目した互助型避難計画を支援目的にしている点にある。そのために、避難シミュレータを開発し、行政・専門化・住民が一体となった避難計画の支援研究を行っている。 具体的には、都市部ではなく、中山間地域を対象としている点が特徴である。中山間地域は、高齢化が進み、独居世帯率も高く、避難のための移動経路・移動手段が、地形条件等に制約され、経路が限定されているため、災害発生にともない孤立あるいは、迂回路を強いられるような地域特性を持つ。これまで、対象地域の住宅・道路・地形のデータベース化を行い、プローブデータを用いて、車・徒歩といった移動手段別避難時間や、阻害が発生し道路が通行不可能になった場合の避難時間等の評価を行ってきたが、プローブデータとペトリネットの入力系が必ずしもシステム化されていなかったため、シミュレータの実行までの処理に時間を要した。今後、シミュレータを合意形成のためのツールとして活用するためには、プローブデータとペトリネット間の入力系のシステム化による基本ネットの作成のシステム化や、背景画像との連携によるインターフェイスの操作性を高める必要があり、それらのデータのシステム化を行った。 つぎに、避難形態に互助避難を想定し、要援護者を対象とした駆けつけ部分ネットを提案し、基本避難シナリオに、サブネットを結合することによるペトリ・シミュレータの操作性・拡張性について明示した。最後に適用事例では、シミュレータを用いて行政・住民ベースによる避難シナリオを想定し、それぞれの評価につい考察するとともに今後の課題を整理した。
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Research Products
(6 results)