Research Abstract |
本研究の目的は,事業評価における意思決定手法として注目されているリアル・オプションに,企業問の競合を考慮するためにゲーム理論を融合させて,事業価値を評価する手法を開発することであった.そのため,本研究グループが前基盤研究時に開発した1期間,2時点のモデルを多期間のモデルの拡張を試み,3編の論文を作成した.1つは複占下の状況をモデル化し,意思決定に有益な考えを示すもので,"A Numerical Approach for Real Option Values and Equihbrium Strategies in a Duopoly"というタイトルで投稿し,現在,査読改編中であるが,重要な部分の修正は終わり,若干の表記上の修正を残すのみになっている.第2は,"The Investment Game under Uncertainty:An Analysis of Equilibrium Values in the Presence of First or Second Mover Advantage"という論文で,これはすでに発表済である.第3は,リアルオプションとゲーム理論を融合することにより生み出された柔軟性の罠という現象に着目した論文で,これに関する詳細な分析を行った研究「競争状況下でのリアルオプションと柔軟性の罠」は,すでに採択され,学会誌に掲載されている.これらの論文は,いずれも,3年間にわたる本研究の成果を示すものである.また,分担者の小井田は,意思決定理論の側面からリスク評価のあり方を分析し,古川は,国際競争のなかで,海外進出企業の計画に対する応用可能性を探るため,中国の目本企業にインタビューした.しかし,中国に関しては,計画段階で,相手国の許可力撮大の課題になるため,必ずしも本研究の研究課題になじまないことが明確になった.
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