2006 Fiscal Year Annual Research Report
火山性微動変動と火口表面活動を重視した過去80年間の爆発前兆活動の事例研究
Project/Area Number |
17510148
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
須藤 靖明 京都大学, 理学研究科, 助教授 (40025466)
|
Keywords | 阿蘇火山 / 爆発現象 / 火口表面活動 / 火山性微動 / 前兆現象 / 湯だまり / 赤熱現象 / ストロンボリ式噴火活動 |
Research Abstract |
阿蘇火山では火山性微動が常時発生しているという特徴があり,この現象は他の火山では見られない.このため火山活動は火山性微動の発生様式で古くから評価されてきた.これは火口の西4kmの草千里直下にあるマグマ溜まりと火口を結ぶ火道を常時火山ガスが通過するために火山性微動が発生し,その量・スピードなどで変動すると考えられている.本研究の目的はこれらの爆発前の状況を把握するために,過去80年間の爆発現象の発生前段階から爆発までの期間に観測された火山性微動の変動の様相を統一的視点で据え,爆発前の火口状況・爆発の前兆現象有無とそのあり方・爆発の規模とその形態などで系統的に分類し,爆発へ至るまでの火山性微動の変動を解明し,今後必ず発生するであろう爆発への対策の礎を築こうとするものである. 爆発へ至る過程で,前兆現象をイ.火口表面活動の活発化の把握(a.湯だまり減少 b.活発な土砂噴出活動の有無 c.赤熱現象の有無 d.降雨の影響と湯だまりの増減 e.火山灰が放出の有無で開口活動かどうか)ロ.噴気・噴煙活動の増大化の把握(a.噴煙活動の活発化 b.噴気音・鳴動が徐々に増大 c.火山ガス量の増加)ハ.地下活動の活発化(a.地震活動増大 b.微動振幅の増大 c.微動停止)のような項目で規格化した. また,爆発を地震動の記録から分類し,初動の様相・その振幅とその後の状況(振幅減少・周波数分布・継続時間)を把握し,爆発に伴う地震で孤立型微動的な地震動が圧倒的に多いことを検証し,火山活動が静穏期でも多数発生している微動の発生機構に手掛かりを与えた.さらに,火山活動状況と火山性微動の変動の把握して,前兆現象として,微動振幅の増大や減少などの現象が生じているか否か,それが生じてから爆発までの時間間隔を検証した.
|
Research Products
(3 results)