2006 Fiscal Year Annual Research Report
都市における複合型氾濫解析モデルの高度化とその水災対策への応用に関する研究
Project/Area Number |
17510152
|
Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
松尾 直規 中部大学, 工学部, 教授 (20093312)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 誠 中部大学, 工学部, 助教授 (50298486)
|
Keywords | 氾濫解析 / 都市域 / 下水道 / 内水氾濫 / 外水氾濫 / 水災対策 / 洪水 / 豪雨 |
Research Abstract |
本研究では,都市域における複合型氾濫解析モデルの高度化とその水災対策への応用を図っている. 平成17年度までに開発し精度の検証を行った解析モデル(都市域には非構造格子による平面二次元解析法を、河川および下水道には一次元解析法を、さらに、海域にデカルト座標による平面二次元解析法を適用し、マンホールで氾濫域と下水道との水の流入・流出を,雨水吐で下水道と河川との水の流入・流出を考慮した数値解析モデル)を用いて,名古屋市の水災対策への応用を試みた. 名古屋市では合流式下水道が整備されていることから,河川水位が上昇すれば河川から下水道へ逆流が生じ,雨水排水システムに影響が生じると考えられる.そこで,地球温暖化による海面上昇が生じた場合の10年確率の計画降雨による内水氾濫の状況を,数値解析により明らかにした.その結果,想定されている海面上昇(0.95mを用いた)の場合,潮位ピークと降雨ピークが重なった場合に浸水は大きくなるが,全域でみれば海面上昇による大きな影響は生じないこと,対象領域では雨水吐からの流出よりもポンプからの流出が支配的であることが示された.今後は地球温暖化による降雨の変化を考慮して検討を進める予定である. また,浸水に対するソフト対策の一つとして洪水ハザードマップの整備があるが,その効果的な表現法の検討として,「被害額」「避難危険度」という観点からのハザードマップを作成した.得られたマップにより,浸水深のみではなく,被害に直接関与する情報(被害額,避難危険度)を入手することができ,水災に対する住民の理解力の向上などが期待できる.
|
Research Products
(6 results)