2005 Fiscal Year Annual Research Report
ブタMHC領域のハプロタイプブロックの多様性解析と有用マーカーの検索
Project/Area Number |
17510161
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
安藤 麻子 東海大学, 医学部, 講師 (40101935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椎名 隆 東海大学, 医学部, 講師 (00317744)
上西 博英 独立行政法人農業生物資源研究所, 主任研究官 (80391556)
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Keywords | MHC / 多型マーカー / ゲノム多様性 / マイクロサテライト / SLA遺伝子 / ハプロタイプ / ブタゲノム |
Research Abstract |
本研究では、臓器移植研究をはじめとする実験動物としてのブタの利用拡大や、経済形質などの有用マーカーの選択をめざしたブタゲノム多様性解析の基盤構築を目的として、ブタの主要組織適合性複合体(MHC : SLA)領域にマイクロサテライト(MS)マーカーを高密度に設定し、MSマーカーとSLA遺伝子について、この領域のゲノム多様性の特徴の解明と有用マーカーの検索を行う。今年度は、2.4MbのSLA全領域に、MSマーカーを平均59kbに1個の密度で、40個設定した。これらのMSマーカーを用い、12品種97頭のブタについて、多型性を解析したところ、設定した全てのマーカーに多型性が認められ、ヒトのMHC(HLA)領域と同程度の密度と多様性を示すMSマーカーが設定されたことが明らかになった。さらに、血清学的タイピングにより、SLAハプロタイプ既知の12種のSLAホモまたは、ヘテロ接合体のブタ22サンプルについてもこれらのMSマーカーを用いた多型解析を行った。その結果、各ハプロタイプにより、特徴的なMS多型パターンが認められ、SLA全領域にわたる大きな一つのハプロタイプブロックや、セントロメア周辺を境界としたSLAクラスI-III領域とクラスII領域の二つのハプロタイプブロックなどが見出された。また、SLA-DNAタイピングにより、クラスI遺伝子座(SLA-1,SLA-2)にそれぞれ複数個のアリルタイプが見られたホモ接合体サンプルについては、SLA-1遺伝子周辺のMSマーカーの多型性解析によっても複数アリルの存在が認められたことから、クラスI遺伝子座周辺領域の重複が示唆された。以上のMSマーカーの解析結果は、これまで困難であったDNAサンプルによるクラスI遺伝子のタイピングに代わるマーカー選択のための情報としても有用であることを示している。
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