2006 Fiscal Year Annual Research Report
ブタMHC領域のハプロタイプブロックの多様性解析と有用マーカーの検索
Project/Area Number |
17510161
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
安藤 麻子 東海大学, 医学部, 講師 (40101935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椎名 隆 東海大学, 医学部, 講師 (00317744)
上西 博英 独立行政法人農業生物資源研究所, 主任研究員 (80391556)
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Keywords | MHC / 多型マーカー / ゲノム多様性 / マイクロサテライト / SLA遺伝子 / ハプロタイプ / ブタゲノム |
Research Abstract |
本研究では、臓器移植研究をはじめとする実験動物としてのブタの利用拡大や、経済形質などの有用マーカーの選択をめざしたブタゲノム多様性解析の基盤構築を目的として、ブタの主要組織適合性複合体(MHC: SLA)領域にマイタロサテライト(MS)マーカーを高密度に設定し、MSマーカーとSLA遺伝子について、この領域のゲノム多様性の特徴の解明と有用マーカーの検索を行う。今年度は、2.4MbのSLA全領域に、昨年度設定し、多型性が明らかになった40個のMSマーカーを用いて、SLAタイプの固定されたNIH,クラウン、NIBSミニブタを中心にSLAホモ及びヘテロ接合体サンプルについて、これらのMSマーカーを用いた解析を行った。その結果、NIH3種、クラウン2種、NIBS 1種、近交系デュロック種ブタ2種の各SLAハプロタイプに特徴的なMS多型パターンが見いだされた他、NIHとクラウンミニブタの品種内に交差ハプロタイプが認められた。すなわち、交差ハプロタイプであるNIHミニブタのg, hは、クラスIII領域の40kbに交差が見られ、hは、このクラスIII領域の交差部位の他、タラスI領域の46kbの領域にも交差が認められた。一方、クラウンの2種類の交差ハプロタイプにもクラスI領域に3箇所の交差が見られた。また、NIHミニブタについて、dハプロタイプはH04と2.4MbのすべてのMS多型パターンが同一であり、aハプロタイプはH10とクラスII〜I領域間」約1.5Mbの領域のMS多型パターンが同一であった。 以上のSLA領域上のMS多型解析の結果から、これらのMSマーカーは、簡便なSLAタイピングや交差ハプロタイプの同定に有用であり、疾患感受性や免疫応答性などの各種形質とSLA領域上の遺伝子との詳細な相関解析に用いることが可能であると考えられた。
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