2005 Fiscal Year Annual Research Report
細菌由来成分ペプチドグリカンの生体内での認識機構解明と免疫アジュバント活性の利用
Project/Area Number |
17510178
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤本 ゆかり 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00362616)
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Keywords | ペプチドグリカン / 自然免疫 / 複合糖質 / 免疫アジュバント / 蛍光標識 |
Research Abstract |
免疫増強活性を持つ細菌細胞壁成分ペプチドグリカン:(PGN)について、PGN受容体であるNod1、Nod2あるいはToll like receptor (TLR)2による認識機構解明を目指し、PGN部分構造・標識体を合成した。またそのPGNの糖鎖ペプチド鎖複合構造構築のための合成手法の開発を行った。すなわち、Nod1のリガンドであるγ-D-グルタミル-ジアミノピメリン酸(iE-DAP)について、4種の光学異性体を合成するため、DAPの光学活性体の新規合成法を確立した。またDAPの光学活性体のキラルHPLCによる分取方法についても条件を確立し、各鏡像体を分離して、その活性を測定するとともに、光学活性DAPを用いた4種のiE-DAPの合成、それらの活性測定を行い、光学異性体の活性の違いを初めて明らかにした。受容体Nod1による認識機構を観測するため、iE-DAPの蛍光標識化を行い4種の蛍光標識体の合成を行い活性試験に供した。Nod2のリガンドであるムラミルジペプチド(MDP)についても、認識機構及び細胞内における挙動の観測のためMDPの蛍光標識体の合成を目指しており、リンカー部の合成及び標識法を確立した。 また、MDPの、抗体産生を促進する免疫増強アジュバント活性に注目し、免疫増強アジュバントとしてMDP類縁体、抗原としてコレラ菌由来細胞表層多糖成分をキャリアタンパク質に結合させた合成糖鎖ワクチンの開発を試みようとしているが、免疫増強アジュバントとしてMDP構造を持った二糖-ジペプチド、トリペプチド、テトラペプチド体およびMDP自体に、キャリアタンパク質結合のためのリンカーを導入した化合物の合成に成功した。
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Research Products
(8 results)