2005 Fiscal Year Annual Research Report
テーラーメイド酵素(抗体酵素)の高機能化のための基盤技術開発:二重免疫法
Project/Area Number |
17510181
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
円谷 健 大阪府立大学, 理学系研究科, 助手 (00372855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 郁雄 大阪府立大学, 理学系研究科, 教授 (70189984)
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Keywords | 抗体酵素 / 遷移状態アナログ / 抗原 / モノクローナル抗体 / ハイブリドーマ / 免疫 / 進化分子工学 / ライブラリー |
Research Abstract |
酵素が化学反応の遷移状態と結合することによって触媒機能を発揮しているように,化学的に安定な遷移状態アナログを抗原として得られる抗体タンパク質は,反応の遷移状態と結合し,酵素のような触媒機能を獲得するようになる.このような触媒機能をもつ抗体を「抗体酵素」(Catalytic Antibody)とよぶ.抗体酵素は,その高い特異性などの優れた性質から第三の物質生産法として注目を集めている.しかしながら,実際に抗体酵素を化学合成に応用するためには,解決すべき問題点が残されている.その最大の問題は,一部の抗体酵素を除いてその触媒活性は低く,多くの場合エステル結合の加水分解反応に限定されている.本研究の目的は,抗体酵素の応用へ向けて,高い活性を有する抗体酵素の作製法を開発し,その適用範囲をひろげることにある. (1)免疫システムを利用した新規抗体酵素の構築(二重免疫法) (1)ハプテンの合成:二重免疫法を行うためのハプテンを合成した. (2)免疫,モノクローナル抗体の精製:ハプテンをマウスに免疫し,電気細胞融合法によりミエローマ細胞と脾臓細胞との融合を行った.ハイブリドーマをクローニングによりモノクローンとして,それぞれのハイブリドーマを大量培養した.抗体はプロテインGカラムを用いてFPLCにより精製した. (3)触媒活性の測定:精製したモノクローナル抗体について,エステル基質を用いて,加水分解反応速度を高速液体クロマトグラフィーにより測定し,触媒活性のある抗体を特定した. (2)分子進化工学による抗体酵素の機能改変 抗体CDRライブラリーの作製:既にクローニングされた6D9の抗体遺伝子の配列をもとにランダムシークエンスプライマーを設計し,これを用いて抗体のCDR H3ライブラリーを作製した.
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