2006 Fiscal Year Annual Research Report
テーラーメイド酵素(抗体酵素)の高機能化のための基盤技術開発:二重免疫法
Project/Area Number |
17510181
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
円谷 健 大阪府立大学, 理学系研究科, 助手 (00372855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 郁雄 大阪府立大学, 理学系研究科, 教授 (70189984)
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Keywords | 抗体酵素 / 遷移状態アナログ / 抗原 / モノクローナル抗体 / ハイブリドーマ / 免疫 / 進化分子工学 / ライブラリー |
Research Abstract |
酵素が化学反応の遷移状態と結合することによって触媒機能を発揮しているように,化学的に安定な遷移状態アナログを抗原として得られる抗体タンパク質は,反応の遷移状態と結合し,酵素のような触媒機能を発揮するようになる.このような触媒機能を有する抗体を「抗体酵素」(Catalytic Antibody)と呼ぶ.抗体酵素は,その高い特異性などの優れた性質から第三の物質生産法として注目を集めている.しかしながら,実際に抗体酵素を化学合成に応用するためには,解決すべき問題点が残されている.その最大の問題は,一部の抗体酵素を除いてその触媒活性は低く,多くの場合エステル結合の加水分解反応に限定されている.本研究の目的は,抗体酵素の応用に向けて,高い活性を有する抗体酵素の作製法を開発し,その適用範囲をひろげることである. 1.免疫システムを利用した新規抗体酵素の構築(二重免疫法) (1)抗体酵素の触媒活性の測定:前年度アミンハプテンとリン酸ハプテンとの免疫により獲得した抗体酵素4G5について,エステル基質を用いて,反応速度を測定し,Michaelis-Menten式により反応速度パラメータを決定した.その結果,K_<cat>=0.455min^<-1>,K_m=17.7μMであった. (2)触媒反応のpH依存性の検討:抗体酵素4G5について反応のpH依存性を検討したところpH=9付近に変曲点をもつpH依存性が観測された.このことからpH=9付近にpK_aを有するアミノ酸残基としてTyr残基の触媒機能への関与が示唆された. 2.分子進化工学による抗体酵素の機能改変 (1)バイオパンニングによる高機能性抗体の選択:昨年度までに作製した抗体酵素6D9のCDRH3ライブラリーについてアミンハプテンを用いたバイオパンニングを行い,抗体の選択を行った. (2)新規CDRH2ライブラリーの構築と抗体の選択:新たに,抗体酵素6D9のCDRH2ライブラリーを構築し,アミンハプテンを用いてバイオパンニングを行い,抗体の選択を行った.
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